ヌード美女と交錯する互いの視線、思わず僕は目を逸らす
目に飛び込んできたのは、ヌードモデル・奈緒ちゃんの背中。なんと、記者の席は彼女がポーズをキメた
真後ろに位置するクソ席だったのだ。「おいおい、これじゃオッパイもアンダーヘアも見えないじゃん」と焦るも、ポージングが6パターンあるということを思い出し、まずは深呼吸で精神安定を図りつつ、とりあえず小手調べだ。周りの人はみな、エンピツを目の前に突き出し片目でポージング。おそらく距離感を測っているのだろうが、
なんかカッコイイので記者も真似してみる。横の青年なんてエンピツでなく炭を使って描いてる、かなりのプロモード。見よう見まねでデッサンを開始するも、最初に頭を描き出した位置が悪かったのか、なんか頭身のバランスがおかしな感じに。
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それにしても、目の前に全裸の女性がいるのに全く感嘆の嬌声があがらないのは、普段はヌードグラビアや「HOW TO SEX」みたいな企画ページも担当している記者としては「
モデルに失礼なんじゃないの?」と思ってしまうほど、フロアは静寂に包まれている。耳に入るのはエンピツを走らせるカリカリという音のみ。左右を見ると、どっちも上手すぎて、参加前は余裕ぶっていた自信がガラガラと崩れ落ちる。体感的にあっという間に15分が経ち、不完全燃焼で第一幕が終焉。
2パターン目は微妙に正面向きながら、頭の後ろで組んだ腕のために顔がよく見えず。でも、初の乳首が拝めてとりあえず内心ガッツポーズ。膨らみ具合は小さいながらも大きめの乳首がアンバランスで、そのギャップに程よくテンションが下がり、おかげでデッサンに集中出来たのは怪我の功名か。2作目もあんまり満足のいかない仕上がりに、思わず心が折れそうになるも、まだ始まったばかりと自己暗示をかけてデッサンに専念する。
3ポーズ目はこれまたポーズ的に立体感の出しにくい感じで、思わず舌打ち。「
もしも抱き合ったら恥骨が当たって痛そうだな」と、デッサンと全く関係のない妄想を脳裏に浮かべながら、黙々とエンピツを走らせる。カラダの立体感や髪質など、なかなか思ったように書けない自身の技量の無さが口惜しい。
前半が終わり、15分程度の休憩を挟んだ後半初の4ポージング目、ついに奈緒ちゃん(仮)がこちら向きにポージング。意図的なのか偶然か、絶妙な脚の組み具合で肝心の“
具”が見えないのが切ない。しかも
彼女の真正面なので、やたら視線が合うのも気まずさMAX。モヤモヤとした気分のまま、後半3パターンのデッサンを終えた。
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描き終えた自身の6パターンのデッサンを見ると、なんとなく回を重ねるごとに慣れてきてるような、そんな評価は与えられるかな、といった程度。やはり左右はじめ他の人たちの作品と見比べると自己嫌悪に陥る低レベルだった。何よりも、
目の前に全裸の美女がいるのに、全くエロ要素が感じられない雰囲気に圧倒された。
デッサンが終わった後、全員がそれぞれの自信作をみんなで鑑賞し合うというセカンドレイプ的な品評会があり、他の人の作品を拝見する機会に恵まれたわけですが、上手い人と下手な人の格差が大きかった。なかには、「
もしかしたらこの人は下心ありきで参加したから、絵を描くより視姦するのに忙しかったんやろか」と思うくらい筆質も単調な作品もあった。
記者の自信作がこちら
特に印象的だったのが、
性器をガッツリ描いている作品がなかったこと。デッサン会終了後、会場の外で4名ほどに参加の経緯を聞いてみたところ、学業や趣味で参加している人ばかり。モデルの裸目当てのエロリストは皆無だったので、当然の結果といえるのかも知れない。
ということで、実際にヌードデッサン会に参加してみたら
エロの入る余地もないくらいアーティスティックな現場だったと実感。でも、数千円の参加費でアートな趣味を嗜む、そんな中年も素敵だよな、と。そう思いつつ、記者はスケッチブック片手に、回転寿司屋にアワビを食べに向かったのでした。
【菊橋みかん】
渋谷系ファッションをはじめ、若者カルチャーからアウトロー、任侠系にキャバクラ、風俗ネタまで、節操なく取材&執筆をこなす、貧乏暇ナシなライター・コラムニスト。酒とタバコとクラブとギャルが大好きな“ギャルおっさん”。
<取材・イラスト・文/菊橋みかん>
渋谷系ファッションをはじめ、若者カルチャーからアウトロー、任侠系にキャバクラ、風俗ネタまで、節操なく取材&執筆をこなす、貧乏暇ナシなライター・コラムニスト。酒とタバコとクラブとギャルが大好きな“ギャルおっさん”。