スポーツ

ビンスのスポーツ・エンターテインメント宣言――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第326回(2000年編)

「Win a trip toレッスルマニア2000」広告

マクマホン王国WWEの“世界征服”がいよいよ現実味を帯びてきたのはニュー・ミレニアム=新千年紀のころだった(写真はWWEオフィシャル「Win a trip toレッスルマニア2000」広告より)

 ビンス・マクマホンが“スポーツ・エンターテインメント”というフレーズを好んで使うするようになったのは――1999年から2000年にかけての――ニュー・ミレニアム=新千年紀の“シーズン”だった。

 スポーツ・エンターテインメントとは、古典的な定義づけによるところのスポーツではなく、また純粋なエンターテインメントとも異なるサムシング。

 現実とファンタジーの境界線が存在しない、あるいは境界線があいまいなジャンル。WWEとマクマホン・ファミリーは、まさに現実でもファンタジーでもない次元と次元のすき間にプロレスの宇宙をこしられ、そこを縦横無尽に動きまわっていた。

 ビンスはプロレスのプロモーターとしては“三代目”にあたる。祖父ジェス・マクマホン、父ビンス・マクマホン・シニアはいずれもニューヨークの興行師で、ビンスは1983年にビンス・シニアから興行会社を買い上げ、現在のWWEの前身であるタイタン・スポーツ社を設立した。

 ビンスはWWEのオーナー会長(チェアマン)で、ワイフのリンダはCEO(最高経営責任者=当時)。長男シェーンと長女ステファニーは同社役員。

 月曜夜の連続ドラマ“ロウ・イズ・ウォー”によく出てくる品のいいビジネス・ウーマンのリンダは、ビンス夫人であり“ダメ息子”シェーンと“じゃじゃ馬”ステファニーのお母さんである。いちばんエラいお父さんのビンスはいわゆる“暴君”。マクマホン・ファミリーのほんとうの家族だ。

 WWEの株式は基本的には4人の家族がそれぞれ20パーセントずつ保有し、米4大ネットワークTVのひとつであるCBSが3パーセント分を投資。残りの17パーセントがニューヨーク株式市場で公開されている。上場初年度の株式時価総額は10億ドル(約810億円=当時)だった。

 ビンスはさらなる野望としてプロフットボールの新リーグXFL(エキサイティング・フットボール・リーグ)を設立し、2001年2月のシーズン開幕をめざして加盟8チームを編成したのもちょうどこのころだった。

 WWE全体の年商は、1999年度が3億7310万ドル(純益は6897万3000ドル)で、2000年度は4億5604万3000ドル(純益は1598万7000ドル)。

 2000年度のプロレス関連事業の収益は8498万1000ドルだったが、XFL設立準備のため6899万4000ドルを資本投下したため同年度の純益が大幅に減少したという経緯がある。

 ちなみにそれから10年後の2010年1月1日から同年12月31日(会計年度)までの総収益は4億7765万5000ドルで、純益は5345万2000ドルだった。

次のページ 
ストーンコールドは首の故障で長期欠場中

1
2
ハッシュタグ




おすすめ記事