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歯のホワイトニングは値切れるか? 医療費の値切りにチャレンジしてみた

 この結果に対し、村上氏は次のように解説する。 「テナント料の高い都心だと同じ手技でもやや高めになる傾向がありますが、ホームホワイトニングの相場は1万5000円~3万0000円と言われているので、K歯科はそもそも高めのほうに位置しますね。K歯科は値切りに応じてくれなかったとのことですが、探せば2000~3000円の値下げ範囲なら相談に乗ってくれるところはありますよ。一方、Y歯科の施術はオフィスホワイトニング。通常、オフィスホワイトニングで全部の歯を施術するとなると、完了までに10万円近くかかってしまいます。ただ、現実的にその価格だと施術を受けられる患者は少なく、口を開いて外から見える範囲だけをホワイトニングすることで価格を安めにする歯科医院や、交渉に応じる医院も最近増えています。Y歯科医院は値切れたと言ってもいいでしょう」  ここまでは医療費を“安くする”ための取り組みを披露してきたが、続けて村上氏は安くなるどころか、逆に高いカネを払わされてしまう危険性がある場合を指摘。入院時の“差額ベッド料”に注意するべきだという。 差額ベット代「入院する際、患者が自分で個室か、大部屋でも4人以下で1人あたり6.4平方メートル以上のスペースがある部屋を希望した場合、一日あたり平均5500円もの『差額ベッド料』がかかります。ただしこれはあくまで自分で選択した場合。病院側から『個室しか空いていない』と言われ、病院側の都合で個室に入院せざる得ない場合は、厚生労働省が出している『療養担当規則』というものがあって、差額を取ってはいけない決まりになっています。しかし実際には、その説明をせず『個室しかないんで申し訳ないんですが』とだけ伝えて同意書にサインさせる悪質な病院が横行しているのが現実です。ハッキリと断るのが一番ですが、難しい場合にはサインをしても『大部屋が空いたら移してください』と書き添えれば、自分の意志で個室に入ったわけではないことを証明でき、後日交渉次第で差額ベッド料の一部を返金してもらえる可能性が高くなります」  ジェネリックや値切りで安くするにせよ差額対策をとるにせよ、医療費をコントロールするには、病院側の主張を鵜呑みにせず、ある程度患者側も警戒しておくことが重要と言えそうだ。 【村上和巳氏】 ’69年、宮城県生まれ。医療専門誌記者を経てフリージャーナリストに。医療・科学技術、安全保障、防災分野が専門。著書に『化学兵器の全貌』(三修社)、『震災以降』(三一書房・共著)ほか多数 <取材・文/河本翔平 姫野ケイ>
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