家賃4000円の部屋で30円の古着おしゃれを楽しむ、海外年金暮らしの66歳~日本を棄てた日本人~
月々7万円に満たない国民年金。
これまで海外旅行など全く縁のなかった老人たちが、ただ「生活費が安い」という理由だけで、アジアの国々に続々と移住している。
しかし残念ながら、そこに明るい要素は見当たらない。人気の移住先であるタイやマレーシアは、今や日本と並ぶ物価高。つまらない日本食が日本より高くついてしまう。
物価の安さが取り柄のカンボジアやフィリピンも、昨今は経済成長著しく、もはや国民年金だけで生きるには、相当のやりくり上手である必要がある。
本コラムで前回紹介したF原は、この十年、ビザもとらずカンボジア・プノンペンの最底辺スラムに滞在を続け、不法移民の分際で小さなアパートまで建ててしまったという、生命力旺盛、サバイバルに長けた老人である。
F原老人が所有するアパートは、月の家賃が35~40ドルというプノンペンでも最底辺の激安物件。暗く、メガネが曇るほど湿っぽい部屋は、雨が降れば滝のように雨漏りし、カンボジア人すら裸足で逃げ出す立派な怪奇ルームだが、そんな部屋にあえて引っ越してくる風変わりな日本人も、実は後を絶たない。むろん、背に腹は代えられない訳ありの人々なのだが……。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1339305
あえて魔境に住むことを選んだ今回の主人公、茂田(仮名・66歳)は、現地人と完全に同化した大家のF原とは対照的に、ひと目で日本人と分かる色白の初老男性である。
初めて茂田と会ったとき、虐待された犬のような目をしていたのが印象的だった。
カンボジア在住歴は1年そこそこの初心者にして、そんな茂田が地獄のF原アパートに越して来たきっかけは、少々行き過ぎな被害妄想だった。
「ワシの部屋、1か月40ドルなんやけど、隣は5ドルも安いんですわ。ワシ、F原はんにぼったくられとるんやろうか?」
またか……。私がF原と無関係と知りつつも、顔を見るたび同じ質問を繰り返す茂田。彼にとって5ドルの価格差は、被害妄想のスイッチが入るのに充分過ぎる金額らしい。
「前のアパートでも、悪辣なカンボジア人の大家から散々ボラれましてな……。相場の三倍も高い家賃に文句言うたら、連中、集団でワシのこと尾行して、屋台でもワシのサンドイッチだけ、大家の指示でワザと具を減らしよるんですわ……」
これぞまさに、ザ・被害妄想。
1円でも多くの年金を温存すべく、暗い、蒸し暑い部屋で3食具なしのインスタント麺をすする茂田。
30円の古着でおしゃれを楽しむ66歳の海外年金暮らし
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