18歳で「50万円の中古ロールスロイスをネットで買った」男の話
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある
そして、車検にこんなにお金がかかるクルマですから、何かあったら一体いくらかかるのか、想像しただけでも怖くなりました。乗っていても「どこか壊れるのではないか」と思い、全然楽しくありません。
そこで私はこのロールスロイスを売ろうと思い、いろいろな人にアドバイスを求めました。しかし、そのときの回答は「ロールスロイスなんか買うからだ」とか「バカじゃないのか」とか「50万円でも売れるわけがない」というものばかり。助けを求めたのにむしろダメージを受ける結果となりました。とはいえ、逆に自分しか頼れない状況となり、私は必死に考えることとなったのです。
そして冷静に考えた結果、
・13万kmのロールスロイスとして90万円の車検整備は決して高いほうではないこと
・高いけれど腕が良いと評判の工場で完璧に整備されていること
・クルマ自体の程度は良いこと
を考慮して、長い目で見ればこのロールスロイスはいつかは売れるのではないかと判断。そして、とりあえず5000km程度乗ってから考えようと思ったのです。
その後、半年ほどでロールスロイスの走行距離は私が購入してから5000kmになりましたが、その間、どこも不具合がありませんでした。ロールスロイスというクルマは、2年ごとに80万円程度の修理費用がかかるということを前提にするならば乗ることができるということに、やっと気づきました。しかし私は2年ごとに80万円の維持費を払ってまでロールスロイスに乗りたくないため、やはり売却することにしたのです。
結果的に、オーストラリアの人が130万円で買ってくれることになり、ロールスロイスは海を渡りました。
こうして、私は140万円もかかってしまった13万kmのロールスロイスを130万円で売却することに成功。実質10万円でロールスロイスを楽しむことができたのです。
もちろん、走った分のガソリン代と保険料などの維持費は発生していますが、それは他のクルマに乗っても同じこと。車両保険を賭けなければロールスロイスだって他のクルマと同じような保険料です。とはいえ、このときは5000kmしか乗っていないため、本質的には大きなダメージとはなりませんでしたが、燃費が悪いため、一般的なクルマの3倍程度のガソリン代は覚悟が必要です。
多くの人は、“ロールスロイスなんて売れない”とか“すぐに壊れる”など、未知なことに対して「ダメな理由」を考えます。しかし、諦めることなく「できる理由」を考えた結果、実質10万円で楽しむことだって可能だったのです。
ただ、精神的な辛さを考えると、積極的にオススメはしません。その点、壊れづらい国産高級車は乗っていてもストレスがなくて最高です。『もう新品は買うな!』 もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう |
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