ファーナスの“ノックスビルの休日”――フミ斎藤のプロレス読本#034【全日本プロレスgaijin編エピソード4】
―[フミ斎藤のプロレス読本]―
199X年
ノックスビルは、ダグ・ファーナスが学生時代を過ごした町だ。故郷オクラホマのハイスクールを卒業し、フットボール奨学金を取得してテネシー州立大ノックスビル校に入学したのが1979年の夏だから、この町にはかれこれ13年も住んでいる。
学生時代の仲よしグループのみんながほとんど引っ越してしまったいまでも、ファーナスはノックスビルで暮らしている。このテネシーの田舎町にはファーナスにとって忘れられないなつかしい香りが漂っている。
全日本プロレスの『世界最強タッグ』のツアーから戻ってきたあと、ファーナスはアメリカ国内では試合のスケジュールを入れず、もっぱらジム通いの生活をつづけている。
トレーニングを終えたあとは、ほとんど毎日のように大学の同級生のフィルさんとビッキーさんの夫婦の家を訪ね、まだ幼い彼らの子どもたちの遊び相手をしながら午後のひとときを過ごす。
ファーナス自身もいちどは結婚をしたことがあるが、いまはシングル・アゲイン。独身の気楽さといい意味での無責任さでフィルさんのキッズのおじさん役を楽しんでいる。
ノックスビルでの日常と全日本プロレスでのツアー活動は、ファーナスにとってはまったく異なるふたつの生活なのだという。
「日本にいるときは毎朝7時に起きて、ゆっくり朝食をとる。夜は早く寝るし、1日じゅうプロレスのことだけ考えているから毎日、緊張している。こっちに帰ってくると夜は遅いし、朝も遅い。リラックスしすぎるくらいリラックスしちゃってるのかな」
母校テネシー大ノックスビル校はフットボールの名門。ファーナスは1年からランニングバックのレギュラー・ボジションで活躍し、オフシーズンはパワーリフティングにほとんどの時間を費やした。
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