「80年代は洋楽の基礎知識量がそのままモテにつながる時代だった」マイケル富岡
ゴメス:当時は誰もが“音楽好き”でしたもんね。今の若いコって「音楽はあんまり聴かない」なんて平気で言ったりするじゃないですか。あのころでは考えられない!
マイケル:80年代は音楽、特に洋楽の基礎知識量がそのままモテにつながる時代だった。今みたいに情報が溢れているわけじゃないし、便利な検索ツールもない。みんなアルバムのジャケ買い(※3)で失敗を繰り返し、コツコツと音楽の知識を深めていったよね。
(※1)ミニFMブーム
電波法に規定する微弱電波で、FM放送の周波数帯を用いる微弱無線局のこと。80年代はソニーやアイワなど大手メーカーがFMトランスミッターを販売し、全国で続々と開局。ミニFMブームが到来した
(※2)MTV
『SONY MUSIC TV』(通称MTV)は、テレビ神奈川制作の音楽番組。洋楽のプロモーションビデオを中心に紹介していた。テレビ神奈川では1983年から1994年まで、毎週金曜深夜に放送された
(※3)ジャケ買い
視聴もせずにジャケットのデザイン、雰囲気だけでレコードを購入してしまう博打的行為のこと。音とジャケットが一致するケースは案外少なく、失敗した場合はレコードラックの左端に詰め込まれるか、部屋のインテリア代わりに飾られ、ホコリを被っているのが通常だった
【マイケル富岡】
1961年米国ニューヨークでアメリカ人の父と日本人の母の間に生まれる。ハイスクールの頃から、モデルとして活動。1985年「MTV」のVJに起用される。音楽分野のほか多くのバラエティ番組で活躍する一方、NHK大河ドラマ『信長』に明智光秀役で出演するなどマルチタレントとしても活動。イベント司会など広い分野で活躍する
【山田ゴメス】
1962年大阪府生まれ。ライター&イラストレーター。画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション、音楽、美術評論まで精通。『日刊SPA!』でゴメス記者として多視的なコラムを配信中。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)、『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社)
【石原壮一郎】
1963年三重県生まれ。コラムニスト。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。『大人の女養成講座』『大人力検定』『大人の合コン力』などなど、大人をテーマにした著書を多く発表し、メディアで活躍。日本の大人シーンを牽引している。「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める
構成/80’s青春男大百科編集部 撮影/林紘輝(本誌) ヘアメイク/久野友子 写真/産経新聞社
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『80's青春男大百科』 マイケル富岡、向谷実ほか80年代を象徴する人物たちの貴重な証言。さらにはカルチャー、アイテム、ガジェットで、世の中がバブル景気に突入する直前のあの時代を振り返る! |
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