更新日:2022年10月05日 23:32

初心者は要注意!五輪競技セーリング現地観戦の落とし穴

ようやく発見した観戦者たち

 IT革命を経た僕は改めて僕は桟橋にとって返します。今度は「スマホでヨットレース」で正確に居場所を把握できているので、先ほどよりもさらにいい位置……いわゆる真正面までいきます。江ノ島で一番今日のレースが近く見える場所まで移動したとき、僕はついにセーリング観戦仲間と出会うことができました。双眼鏡を手にした、ガチの観戦者たちに……!  いた!真のセーリングファン!って、外国のご婦人じゃん! 日本人セーリングファンはどこだ!  僕は外国のご婦人の横に陣取り、スマホとデジカメを交互に見ながら懸命にセーリング観戦を続けます。スマホでレース展開を把握し、デジカメでヨットの番号を確認して照らし合わせる。何だか、星を見ながら航路を行く船乗りのような気分。すごいやりづらい……。全然面白くない……。  それでも半日も眺めていると、徐々にその作業にも慣れてきます。水平線に並ぶヨットの進む向きも、帆の角度を見ればわかるようになりました。それによって「折り返し点を向こうに進んでいるヨット」と「折り返し点をコッチに進んでいるヨット」の区別などもできるようになり、ブイ付近のごちゃついた状況も何とか理解できるようになりました。「スマホでヨットレース」を見ながら、というのが大前提ではありますが……。  このレースの首位争いを展開する日本艇4580番の動向を追いかけることもできるようになりました。「スマホでヨットレース」を見ながら、ならば。  ちなみに、このカラフルな帆は、追い風を受けるときに使う3枚目の帆で「スピン」と呼ぶそうです。パッと開くととてもキレイです、肉眼ではよく見えませんけれど。

ある意味では東京五輪の超穴場だが……

 このセーリング観戦を経てわかったのは、「スマホでヨットレース」「双眼鏡」が必須であるということ、会場だとか会場でないとか関係なくどこから見ても同じ(結局肉眼では見えない)ということ、地元にはさしたるヨットレース熱はないということ、この3点です。レース会場が広く、地元に熱がないということからは大変有力な穴場であることは間違いないと言えそうです。有力な穴場です。  あとは何をもって「見た」とするのか、そこだけ。  2020年東京五輪本番でも、この日とレースの感じが大きく変わることはないでしょう。沖合いで、ゴミみたいな船が浮いているのを見守る形になるはず。そのとき、「現地で双眼鏡片手に見る」のと、家で「スマホでヨットレースを見る」のとどちらを選ぶのか。どちらが「見た」に相当するのか。極端な話、ほかの会場で別の競技を観戦しながら「スマホでヨットレース」を見ても、同じことなんじゃないのかという気がします  視力が6.0くらいあるとかいう特別な人ならば、江ノ島の風を受けながら見るセーリングは最高に気持ちいい競技となるはず。そうでない人は……ほかの競技を見たほうがいいですかね……。正直、双眼鏡があったとしても、何がどうなってるか、よくわかんないと思いますので…。もしも「会場に大型モニターを設置しました」などの情報が伝わってきたら、そこで初めて現地観戦を考えてもいいかもしれません。現地に居る意味は、ほぼナイ感じでしたので……。  なお、いわゆる「スタジアムグルメ」的なものも特になく、この酒盛り用売店は選手が集うためのものであるのだとか。  それとは別に樽酒も開けるそうです!  さすが船乗り、酒盛りが大好き!って、その酒、観戦客にも売ってくれ!
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