更新日:2022年10月05日 23:32

初心者は要注意!五輪競技セーリング現地観戦の落とし穴

~今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪 第52回~ ※前回の話…スポーツ好きブロガーのフモフモ編集長が、東京五輪でチケットが買えそうな穴場競技探訪へと出かけました。今回のターゲットは「セーリング」。いわゆるヨットレースの全日本選手権開催をキャッチしたフモフモ編集長は、東京五輪の会場にもなる江の島ヨットハーバーへ向かった。観光地ながら奥まった場所にあるため、穴場な雰囲気をプンプンさせる会場に期待も膨らむ。しかし観客だと思った人々はほとんどが実は釣り人。彼らは大会開催に批判的という、極めて険悪な雰囲気だった……。

ビギナーを待ち受けるセーリングの洗礼

 僕も居心地悪い感じで釣り人に混ざり、セーリングの様子を見守り始めたのですが、目当てのヨットがどこにいるんだかよくわかりません。思ったよりもヨットのスピードってのは速いようで、桟橋に移動する間にヨットを見失ってしまいました。ていうか、競技会場内で見失ったりするのか。旗が立ってたり、スタートの垂れ幕があったり、パッと見でわかるようにしておくのが普通なんじゃないのか。まったく展開がわかりません。  仕方ないので、一旦事務所まで引き返して運営の人をつかまえます。「セーリングのレースを見にきたのだが……」と問い掛けた僕への最初の反応、数々の穴場を経験してきた僕にも衝撃だったその反応は、 「え!? 見にきたんですか!?」 というものでした。 「見にきちゃ悪いのかよ」と言い返しそうになる僕につづけてぶつけられた言葉というのは、「見えませんよ!」というものでした。  偉い人は事務所から桟橋の向こうの沖合いのほうを指差して、 「今日はあの辺でやっています」 「でも双眼鏡とかがないと見えないですよ!」 「コースは緑のブイで示しているんですが、見えないでしょうねぇ……」  と責めるような言いっぷり。もちろん運営側からの双眼鏡レンタルサービスなどはありません。確かにこの大会の公式サイトには「ご来場お待ちしてます!」みたいなお誘いはありませんでしたが、見にくる人のことを何も考えていないとは思いもしませんでした……。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1390971  改めて偉い人が教えてくれた方向の海面を桟橋から見る。何にもないな……。  光学30倍まで拡大。沖合いに何かゴミみたいのが浮いてる。  デジタルズームで50倍まで拡大。うわぁ……ヨットだ……ヨットがいるわ……。  デジタルズーム80倍まで拡大。誰だよ、こんな沖合いにコース作ったヤツ……。  デジタルズーム80倍で確認できた緑のブイ。こんなちっちゃいブイ見えるか!  さっきまで釣り人と一緒に見ていた方角はまるで見当違いであったこと。デジタルズームで拡大しないと船の形すら見えないこと。コースを示すブイの確認はデジタルズームをもってしても極めて困難であること。そういった難点に加えて、水平線に多数の船が並んでいるため、どれがどっちに進んでいて、どれが一番前なのかという位置関係がまったくわからないという難が発生します。ズームすれば見えることは見えるけれど、ただただ沖合いにゴミみたいのが浮いているということしかわからない。  僕は改めて事務所に引き返しまして、さきほどの偉い人をつかまえます。レースがどこでやっているかの確認はできたので、今度はレース展開の把握の仕方についてご教示いただきます。すると、オススメのサイトがあるとのこと。 「え、サイト!?」 「わざわざ現地にきたのにサイト!?」  と聞き返す僕に、「スマホでヨットレース」というサイトがあって、そこを見るとレースの模様がわかると言うのです。  「そういうことじゃなくって、観戦会場に大型モニターを設置するとか、レース実況をスピーカーから流すとか、場内実況用ラジオを貸し出すとか…」という言葉をグッとこらえて、僕はスマホをいじります。検索すると確かにあった「スマホでヨットレース」。誰がやっているサイトかはよくわかりませんが、ヨットにつけられたGPS付きスマホからの電波を利用して、各艇の場所をリアルタイムに表示するサイトであるようです。確かにこれならレースの展開がわかる。

確かに「スマホでヨットレース」を見ると各艇の動きがわかる

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ようやく発見した観戦者たち
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