カーライフ

ディーゼル×ハイブリッド 無敵のベンツSクラスのお買い得モデルはなぜなくなったのか?

 ただ個人的には、とても残念なことがありました。それは、これまでSクラスのなかで一番安くてお買い得だった「S300h」というモデルが消滅したことです。  S300hとは、2.2リッターのディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせたディーゼルハイブリッドで、Sクラスで唯一1000万円を切る激安価格(998万円)。それでいて走りはまったく申し分なく、燃費はリッター20.7km(JC08モード)。高速巡航なら軽くリッター20km以上走って、しかも燃料はお安い軽油!という、「いつか中古車が200万円台になったら欲しいな~」と真剣に思ってしまうモデルでした。それがどうしてなくなっちゃったんでしょう?
中古車価格動向に注目

カーマニアとしては、カタログ落ちして希少性が高まったディーゼル×ハイブリッドのS300hの中古車価格動向に注目したいと思います。

 関係者によると、「あまり売れなかったから」らしいです。  Sクラスの新車をお買いになるお客様は、一番下のグレードなんか選ばないし、ディーゼルに対しても「ガラガラうるさい」と偏見が強いとか。そーだったのか! カーマニア的には一番刺さったんだけど。  ということで、小改良を受けたSクラスからは当面ディーゼルもハイブリッドも消え、全部ブイブイのガソリンエンジンだけになりました。今回は我々もS560をブイブイ言わせてきました!  560といっても5600ccではなく、4000ccのツインターボ。前のS550は4700ccのツインターボだったのでダウンサイジングなのですが、Sクラスのお客様は数字がデカいほうが喜ぶので、逆に数字をデカくしたそうです! さすがSクラス! エコカーだEVだと騒いでいる世間がアホらしく思えますネ! それではSクラスの後席からサヨーナラ! 【結論】 イマドキ、ディーゼルもハイブリッドもないSクラスについて、つい退化だと思ってしまう私は、しょせん貧しいカーマニア。Sクラスのお客様の好みを考えれば、これが正しい商品ラインナップなのでしょう。涙が出ます
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
1
2
おすすめ記事