田中将斗のECファッキンW1泊3日“弾丸ツアー”――フミ斎藤のプロレス読本#123【ECW編エピソード15】
ドレッシングルームに入ると、田中の姿をみつけたサブゥーが遠くのほうから走ってきて、両肩をぎゅうっと抱きしめてくれた。「ここに座れ」といわれて、サブゥーの荷物が置いてあったところのすぐそばにバッグを置いて陣地をつくった。
ポール・Eにあいさつをしておこうと思ってそのへんを歩きまわっていたら、知らない人たちから「タナカ、Tanaka」と話しかけられた。
バンバン・ビガロがいたので、そばへ行って頭を下げた。サンドマンにハローをいいにいったら、にっこり笑って肩をポン、ポンとたたいてくれた。タズにあいさつをしようと思ってもじもじしていたら、向こうから握手の手を差し出してきた。
バックステージは選手、スタッフ、PPV中継クルー、プレス関係者、選手たちの家族、友人・知人らしき人びとでごった返していた。
田中の出番はPPVワクの第2試合らしかった。どうやら、カードの変更があったようだ。試合開始の10分まえになっても田中の対戦相手が決まらない。はなしの内容は100パーセントまでは理解できないけれど、ドレッシングルームのなかがにわかにあわただしくなってきたことはわかった。
田中はベンチに腰かけてみんなの様子をながめていることにした。
出番はあっというまにやって来た。あまり耳慣れないジャパニーズ仕様のテーマ音楽に乗って入場ゲートに出てみると、アリーナ席の奥のほうにたどたどしい漢字で“大和魂”“弾丸”と書かれたお手製のサインボードがみえた(つづく)。
※文中敬称略
※この連載は月~金で毎日更新されます
文/斎藤文彦
1
2
⇒連載第1話はコチラ
※斎藤文彦さんへの質問メールは、こちら(https://nikkan-spa.jp/inquiry)に! 件名に「フミ斎藤のプロレス読本」と書いたうえで、お送りください。
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ