日本一売れてるクルマN-BOX 新型の死角は純マイルドヤンキー仕様のデザイン!?
カーマニアである私も、N-BOXのデザインには惚れ惚れさせられておりました。とにかくあの機能美! ウルトラ質素な箱型なんだけど、しっかり大地を踏ん張る力強さがあって、初代ゴルフや初代パンダに通じるものがある。イタリアの巨匠ジウジアーロ的ってことですね!
軽自動車のデザインは、近年オラオラ系の顔が主力だが、それはギラギラメッキのN-BOXカスタムが担当。ただしカーマニアとしては、シンプルで美しいノーマル車のデザインだけを評価しております。
そんなN-BOXがこの9月、6年ぶりに新型に生まれ変わりました! これだけ売れたクルマだと、モデルチェンジは難しい。大きくは変えられないし、変えなければ新鮮味は出ないし。
新型はそのドツボにはまった様子で、先代のイメージを強く残しつつ、小手先でディテールをゴテゴテいじったのみ。まさに改悪だ。特に今回試乗した「カスタム」は、純マイルドヤンキー仕様で悲しくなる。
しかし中身の仕上がりは完璧に近い。居住性・快適性・走り・乗り心地、すべて文句なし。後席はレクサスLSより広い。高性能な自動ブレーキを含む安全システム「ホンダセンシング」も全グレード標準装備だ。前車追従型クルーズコントロールも付く。国内をフツーに移動する限り、これ以上の性能はいらん! これぞ日本の国民車! 完璧です!
と思いつつ、隣に先代N-BOXが並ぶと、「あ~、先代は美しかったな~」とため息が出、先代の中古車を探したい衝動に駆られました。そんなのマニアだけでしょうけど。
【結論】
初代ステップワゴンがバカ売れした後、ホンダはデザインで似たような過ちを犯し、2代目は売れ行きが鈍りました。今回もその予感がしますが、高性能な安全装備は魅力的。そこでどこまでカバーできるでしょうか1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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