腕時計相場を上昇に導いた総理は誰? 歴代内閣別[中古ロレックス相場ランキング]
―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―
腕時計投資家の斉藤由貴生です。腕時計の相場は日々変化していますが、その相場が変化する理由には様々なものがあります。政治の影響も受ける傾向があり、まさに政治と経済は密接に連動しているのだ、ということを腕時計相場からも感じることができます。
ということで今回は、日本の政治から腕時計相場を考察。2006年9月に総辞職した小泉内閣から現在の安倍内閣までの腕時計価格をランキング化しました。果たしてどの総理が腕時計相場を上昇に導いたのでしょうか。
ちなみに、ランキング化するに当たり価格を参考にしたのは、中古のロレックスデイトナ116520価格です。各内閣総辞職前の雑誌掲載中古価格の最安値を基準としています。116520は2000年にデビューした後2016年3月まで現行モデルとしてラインナップ。生産終了や人気上下などの変化が少なく、小泉内閣から安倍内閣(2012-)の期間において条件が安定しているため、参考値として適正だと考えることができます。なお、116520は2016年3月に事実上の生産終了となったため、2016年12月頃より相場が変化。そのため安倍内閣(2012-)の参考値は2016年1月としています。
◆第8位 野田内閣(2011年-2012年)/¥818,000
2006年以降の総理大臣で最も腕時計相場が安かったのが、野田内閣の時代です。リーマン・ショックがきっかけで腕時計相場は安くなったものの、リーマン後を遥かに下回る相場となっていました。全ての腕時計を確認したわけではありませんが、ロレックスがブームとなった90年代後半以前の相場に戻ったような時代でした。
◆第7位 鳩山由紀夫内閣(2009年-2010年)/¥828,000
民主党が政権交代を実現させて最初に総理大臣となった鳩山由紀夫氏の時代が下から2番目。腕時計価格が最も安くなったのは、実はリーマン・ショック直後でなかったことがわかります。リーマン・ショックが直撃した麻生内閣時よりも、鳩山由紀夫内閣時代のほうが腕時計価格が安くなっていたのです。
◆第6位 菅内閣(2010年-2011年)/¥878,000
民主党政権時で最も腕時計相場を上昇させていたのが菅内閣です。菅内閣の時代には東日本大地震が発生。世の中に“自粛ムード”があったなか、鳩山由紀夫内閣時代に安くなった腕時計価格が回復しています。麻生内閣時代に近い額まで上昇していますが、それでもリーマン・ショックが直撃した麻生内閣時まで回復はしていませんでした。
◆第5位 麻生内閣(2008年-2009年)/¥918,000
リーマン・ショックが起こったのは2008年9月15日で、麻生内閣が成立したのが9月24日。まさにリーマン・ショックの直撃を受けたのが麻生内閣です。小泉内閣時代から値上がり気味だった腕時計相場は、麻生内閣時代に一気に下落。それまで100万円以上だったデイトナが90万円台となったのはこの時代です。それでも麻生内閣時代は当ランキングの8つの内閣の中で5番目の実績。民主党政権時代よりも腕時計相場は高かったのです。
◆第4位 福田康夫内閣(2007年-2008年)/¥1,048,000
福田康夫内閣が総辞職する直前にリーマン・ショックが発生しましたが、その影響を直撃したのは麻生内閣。そのため、福田康夫内閣はリーマン・ショックの影響を受けていないのですが、歴代4位という結果。この時代は、注視していないと気づかないぐらいの感覚で、緩やかに下落している腕時計がいくつか存在しました。今見ると、まさにリーマン・ショックの前兆ともいえる不気味な値下がりだといえるでしょう。
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある
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