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世界一熱いサウナ!? ロシア式“バーニャ”を独り占め

 アルビナさんに倣って、バケツの水に浸したドングリの木の束(ヴェーニク)を使い、ストーブ上のサウナ石に水をかけるやジュジュッと高温の蒸気が立ち上がる。ドングリの木のいい香りに包まれる。ヴェーニクを再度バケツに浸したら、今度はその熱気を扇ぎ、対流させながら、水を壁に打ち付けていく。木壁からもジュジュッと蒸気が上がる。室温計は依然60℃と低いままではあるが、肌が焼けそうなほど熱い。汗が一気に噴き出してくる。
湿度の神

ドングリの木の束=ヴェーニクを操り、“湿度の神”になる。室内がいい香りに包まれる。ちなみにヴェーニクとは「木箒」を意味する

 よく蒸されたところで、小屋の外に飛び出したらそのまま露天水風呂にドボン。汗を流す必要なんてない。だって、貸し切りなのだから。
水風呂

小屋の外にはすぐ水風呂がある。その奥にはシャワーが備え付けられており、ひとしきり遊んだあとはそこで体や頭を洗うといい

 バーニャの明かりを消して瞑想してみる。薪をくべて室温を上げてみる。水風呂に浸かりながらビールを飲んでみる。露天のデッキで大の字に寝てみる。ベンチに掛け氷結レモンを飲んでみる。ヴェーニクを両手にどこかの部族のように舞ってみる。太陽が沈むほうに向かって笑ってみる。あっという間の90分。すべてが自由だった。
焚き口

バーニャ外の焚き口から薪をくべれば、室温は一気に上がる。簡単に100℃まで上げることができた

本館前デッキ

本館前デッキから異国情緒溢れる庭園を見渡す。外気浴に打ってつけのロケーション。日本にいながら、ロシアの風を浴びた気がした

 シャワーを浴びて着替えたら、本館に移動。ボルシチやピロシキといったロシア料理の数々に舌鼓を打つ。アルビナさんお手製の、温かくて優しい味が心に沁みて涙が出そうになる。
本場のロシア料理

ボルシチ、ピロシキなど本場のロシア料理が味わえる。写真は「船長の肉」(牛肉とチーズのオーブン焼き)をメインとした5000円のコース。アルコールは持ち込み自由!

 東京に戻ったら、たまった仕事を片付けよう。逆らい続け、あがき続け、疲れ果てたそのときは、またここで束の間の“卒業”ができたら幸いだ。
IZBA(イズバ)

中央が料理を楽しむ本館。左がバーニャ小屋。

撮影/杉原 洋平
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【IZBA(イズバ)】
住:福岡県宗像市上八966
電:0940-62-1330
料:90分貸し切り1700円/1人(2名以上。要予約)※延長1時間1000円、以降500円。宿泊可。
その他詳細はHP(http://izba-land.co.jp/restaurant/)を参照ください。
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