メドゥーサと“アランドラ・ブレイズ”――フミ斎藤のプロレス読本#136[ガールズはガールズ編エピソード6]
アメリカで女子プロレスらしい女子プロレスをやりたかったら、やっぱり全日本女子プロレスの力を借りるしかない。アランドラ・ブレイズに変身したメドゥーサは、ブル様をライバルに指名した。
ブル様はブル様で“世界のブル様”になるために日本の生活を捨ててアメリカに住むジャパニーズになった。ふたりのシングルマッチは女子プロレスのなんたるかをあまりよく知らないアメリカじゅうのオーディエンスをびっくりさせ、WWEを内側から揺さぶった。
アランドラ・ブレイズはWWEがつけてくれたリングネームだから好きでも嫌いでもない。“アランドラ・ブレイズAlundra Blayze”の名がついたキャラクター・グッズの数かずはメドゥーサのものであってメドゥーサのものではない。
メドゥーサは“メドゥーサMadusa”がWWEの登録商標になってしまうのがどうしてもいやだったから、あえて新しいリングネームを名乗ることにした。WWEのTVショーやオフィシャル・マガジンにはメドゥーサの“メ”の字も出てこない。
日本のレスリング・マガジンは、アランドラ・ブレイズ(メドゥーサ)とカッコ付の表記を用いている。プロレスラーでありつづけるうちはメドゥーサのなかで“メドゥーサ”が消えてしまうことはない。パスポートにだって“芸名a.k.a.メドゥーサ”とはっきり記されている。
これからもアメリカと日本を何度も何度も往復するつもりだ。アランドラ・ブレイズ(メドゥーサ)のルーツはトーキョーにある。トーキョーに来れば、みんながメドゥーサ、メドゥーサと呼んでくれる。これかも、きっとそのあとも、ずっとずっと。
※文中敬称略
※この連載は月~金で毎日更新されます
文/斎藤文彦
1
2
※斎藤文彦さんへの質問メールは、こちら(https://nikkan-spa.jp/inquiry)に! 件名に「フミ斎藤のプロレス読本」と書いたうえで、お送りください。
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ