まるでドイツ車のような新型ジュリア。“フェラーリの母”アルファロメオは堕落したのか?
そんな折、ついに出ました、主力となるべき中型セダンが。それがこの新型ジュリアです。
まず驚いたのは、BMW3シリーズにあまりにも似ていたことです。サイズも同じだし、横から見ると見分けがつかないくらいソックリ! アルファとして25年ぶりの後輪駆動、前後重量配分50:50も、BMWのマネとしか思えない。マニアが好むマニュアルの設定もなく、全車8速AT。堕落だ……。
現在、BMW3シリーズを足としている私としましては、アルファはドイツ車になろうとしてるのか!? そんなアルファ欲しくない! アルファは死んだ! 南無阿弥陀仏! そんな思いを抱いたものです。
ところが、乗ったらこれが超イタリアンだったのです。
ボディ剛性の高さやサスペンションのしっかり感、乗り心地の良さは現代のドイツ車ソックリでしたが、ハンドルはマカロンのように軽くて落ち着きがなく、ちょっと切ると危険なほど曲がる。
そして2リッターのターボエンジンは、かつて私が愛した155ツインスパークのような美声を奏でるという、快楽優先の仕上がりとなっておったのでございます。
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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