更新日:2022年11月20日 09:41
カーライフ

まるでドイツ車のような新型ジュリア。“フェラーリの母”アルファロメオは堕落したのか?

 博識な読者諸兄には説明不要かと存じますが、チチョリーナはイタリアで国会議員を務めた元ハードコア・ポルノ女優。代表作は『女帝チチョリーナ』。世界中の男が彼女のオッパイに癒されました。で、今回はカーマニア待望のアルファロメオの新型ジュリアであります。見た目はドイツ車のようになってしまいましたが、中身は快楽優先仕様でございました ALFA ROMEO GIULIAMJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

待望の最新アルファ新型ジュリアはBMWのお面をかぶったチチョリーナでした

 私儀、これまでアルファロメオを2台買わせていただきましたが、どちらも大変ステキなおクルマでありました。  最初に買ったのは、155ツインスパーク(’97年製)というモデルです。エンジンは「タラララララ~!」と素晴らしい美声を奏でましたが、なにせすべてが頼りない。左ハンドルのマニュアル車のみという段階で、カーマニア以外お断りなのは当然として、ボディは新車時からヨレヨレに剛性が低く、電気系の接触不良でたまに電動ファンが回んなくなってオーバーヒート。首都高三宅坂トンネル中でソレがきた時は、水温130度近くまで煮え立った冷却水が冷めるのを30分待ち、120度まで下がったところで首都高を脱出。駐車場に放置しといたら数時間後に自然治癒しておりました。  8年前には147ツインスパーク(’02年製)というモデルを購入。7年落ちの中古で、たったの68万円でした。  なにせアルファロメオは中古車が安い! 理由はご想像におまかせしますが、我が家の147は一度も故障することなく、警告灯が点いてもほっとけばすべて自然治癒。3年前に当コラムの担当Kに0円で贈与され、最後はサスペンションが抜け切ってカーブでは超危険な状態でしたが、15年という長寿をまっとう。21世紀以降のアルファロメオの信頼性の向上ぶりを、強く実感させてくれたおクルマでありました。  そんなアルファロメオも近年は、不振に喘いでおりました。“フェラーリの母”という名門でありながら、ミトもジュリエッタも小さくまとまった面白味に欠けるクルマだし、4Cはマニアックすぎるスポーツカー。主力になるべき新型車がぜんぜん出ない! ファンとしてはブランドの消滅すら危惧する状態でありました。
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新型車がようやく出た!
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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