「SHAZNAは子どもの頃にテレビで見ていた“非現実的な”存在だった」
――では、新メンバーの方にもお話を伺いたいと思います。ドラムの夏芽さんは、国民的男性アイドルグループや数々のロックバンドのライブに参加してきた実力派。今回のオファーを聞いたときの感想を教えてください。
夏芽:私にとってSHAZNAは子どもの頃にテレビで見ていたり、曲を聴いていた印象が強くて、非現実的な“芸能人”という存在でした。だからお話をいただいたときは、驚きと嬉しさを200%ずつ感じました。
IZAM:合わせて400%じゃん。大丈夫?
夏芽:それぐらい変なテンションになっちゃったんですよ。全員での打ち合わせを重ねて、最近ようやく実感が湧いてきました。
Dramsの夏芽
――一方、ソロシンガーとして活躍していたRaychellさんはセカンドボーカルとして加入しました。今後の役割を教えてください。
IZAM:これまでリリースしてきた曲にコーラスと参加するパートもあれば、今後はツインボーカルのように交互に曲も作ってみたいと思っています。Raychellがメインで歌って、横で僕が踊っているだけの曲があってもいいかもしれません。
Raychell:誰もが知っているような名曲を、自分がメンバーになって歌えるというのは光栄ですね。ライブでステージに立つことが楽しみです。
2nd VocalのRaychell
――ロックバンドにサックスのASUKAさんが入るのも斬新な試みだと思います。
IZAM:僕はASUKAがやっていたバンド(東京エロティカルパレード)にプロデューサーとして関わっていたのですが、彼女のサックスを聞いていると「自分も吹けるんじゃないか!?」という錯覚に陥るんです。それくらい。色気や人間味がある奏者なので、大人になったSHAZNAの世界観にぴったりだと思っています。
ASUKA:歴史も実績もあるバンドに新しい楽器を入れるのはすごいチャレンジだと思うのですが、受け入れていただけたことを嬉しく思っています。これまでのSHAZNAの楽曲の良い部分を残しつつ、新生SHAZNAのひとつのスパイスになっていきたいですね。
SaxのASUKA
――ちなみに、IZAMさんは恐妻家として知られる存在ですが、再始動を知った奥さん(吉岡美穂)はどんな反応だったのでしょうか?
IZAM:えっと……僕の弟の嫁の話ですか!? 完全に無反応らしいです。「私には関係ない」というスタンスだと、弟からは聞いております(笑)。
――SHAZNAが一世風靡していた90年代とは違い、今はCDが売れない時代になりました。今の音楽シーンに対する想いを聞かせてください。
IZAM:この時代にミリオンセラーを目指すとか、絶対に難しい話じゃないですか。だから、売り上げを目標にすると苦しくなってくるので、とにかく自分たちが本気で音楽と向き合って「作品を残していく」ということが大切だと思っています。僕たち自身も、先輩方が残した足跡に影響されながら自分たちのスタイルを模索していったし、今もう一度、次の世代を刺激するような音楽を残していきたいですね。 <取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/井上太郎>
【SHAZNA】
‘97年、シングル『Melty Love』でメジャーデビュー。IZAMの中性的なルックスと軽快な楽曲が瞬く間に脚光を浴び、88万枚のヒットを記録した。同年、日本有線大賞最優秀新人賞を受賞。1枚目のフルアルバム『GOLD SUN AND SILVER MOON』はミリオンセラーを記録。’08年11月に惜しまれつつ解散するも、今年8月にメジャーデビューから20周年を迎えた事を記念して新メンバーを含む6人編成で新たに再結成を果たす。12月9日には、再結成とデビュー20周年を記念して復活ライブを行った(
http://shazna20.com)