更新日:2018年01月31日 15:15
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ニュースは「偏り」前提、それを踏まえて判断するのが重要――荻上チキ×プチ鹿島 対談

どの偏りにコミットするかという話になっている・荻上チキ

荻上:まずどう偏っているのかを考え、それぞれの偏りを踏まえて自分で判断をするのが重要なんですが、どの偏りにコミットするかという話になってしまってますよね。ツイッターの自己紹介欄にある「普通の日本人です」的な。 鹿島:「普通の日本人」って、一番ざわざわしますね(笑)。 荻上:「中道です」とか。 鹿島:自分の考えている中道こそ危ないですよね。 荻上:僕はよく、すっごい“右から目線”で「左が!」って言われたりするんです。どの立場だと言われても別にいいんですけど、そんなに右から言われても、その距離感はすごいよとは思います。 鹿島:ホント、レッテル貼りで終わってしまうのはもったいない。 荻上:誰を仮想敵にするかで、メディアの立場が変わります。「第4の力」のメディアは政権をチェックするものですが、最近は仮想敵として政権をチェックするメディアを批判するという分岐が起きている。それがあまりに露骨で、応援団的メディアが出て、それを批判するネットメディアが出たり、なんか有象無象になってますね。 鹿島:僕は野次馬だから、相手陣営へ覗きにいくんですけど。 荻上:どちらかがやらかしたときだけ、その発言を責める。互いの底辺を攻撃して、自分の優位性を誇るみたいな。そんなゲームばかりだと言論の質は上がりません。 鹿島:遠く離れて雪合戦してるようなものですよね。相手の陣地に入って見てみることも、たまには必要だと思います。 荻上:そういう意味でも、新聞の読み比べは必要なんですよね。ネットメディアも広がってはいるけれど、最も読まれていて議題設定効果のある新聞はやはり役に立つ。 鹿島:僕、新聞を読むときはまず、産経、東京の右端と左端から読むんです。同じ日本だけどこれだけ違うんだと思うんですが、そこから読売とか毎日に戻るんです。 荻上:僕は逆ですね。朝日、読売から読む。産経と東京から読むと、訳がわからなくなるので(笑)。 鹿島:最近なんだか、毎日を読むのがすごく心地がいいんです。 荻上:僕の本の帯、「読売の本音、朝日の法則、産経の戦略」で、毎日が入れられなくて……。 鹿島:そこはね。毎日の宿命というか、毎日のいいところでもあるんですよ(笑)。 【プチ鹿島氏】 スポーツからカルチャー、政治までをウオッチする時事芸人。著書に『芸人式新聞の読み方』(幻冬舎)、『教養としてのプロレス』(双葉文庫) 【荻上チキ氏】 評論家、ニュースサイト「シノドス」編集長。ラジオパーソナリティとしても活躍。『すべての新聞は「偏って」いる』(扶桑社刊)が発売中 ― 今年のニュース[新聞5紙]はどう報じたのか? ―
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すべての新聞は「偏って」いる ホンネと数字のメディア論

「バイアスのないメディアなど存在しない」という前提に立ち、その「クセ」を詳らかにすることで、分断する社会で溢れる情報とつきあう具体的スキルを提示する一冊


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