更新日:2022年11月29日 11:52
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「掛け布団と毛布、どっちを上にするか?」問題は「毛布が上」だけが正解ではない

ウールやカシミアの毛布の場合、事情が変わる

毛布 そんなわけで「毛布が一番上」なのは蓄熱の効率がいいからです。この順番は非常に無駄がなく、鉄板と言ってよいと思います。  ところが毛布を中心において考えると、必ずしもそうとは言えない事情も出てきます。それがウールやカシミヤなど、獣毛毛布を使う場合です。  実は毛布には大きく分けて2種類があります。アクリルやフリースなどの人造繊維のものと、獣毛のものです。  この2種類、何が違うのかというと機能に大きな差があります。  獣毛で作った毛布は、呼吸力や発熱力を持っています。呼吸力があると湿気を吸ったり出したりしてくれるので蒸れにくくなります。また、発熱力があると人の出した湿気を熱に換えてくれるので、とても暖かいのです。  ところが呼吸力も発熱力も、肌に近くないと発揮できない機能なんですね。獣毛の毛布は比較的高額ですから、機能を封印し蓋として使用するのではもったいない。そこで掛けふとんよりも下に入れる方が正しい使い方となります。  対して人造繊維の毛布はセオリー通り、掛けふとんの上に乗せて使います。こちらは吸湿発熱能力が低いから肌に近いところではないほうがいい。しかも、特にアクリル毛布は断熱力は驚くほど高いので、蓋にするのにピッタリなんです。  以上、掛けふとんの上か下かは毛布の素材で決まる、というお話です。  持っているの毛布の組成が分からない、という方は品質表示票を見てくださいね。本体の端っこに付いている、メーカー名とかが書いてある小さなラベルがそれです。フリース毛布は原材料がポリエステルと書いてあるので要注意。キャメルやラムは獣毛なので掛けふとんより下にしましょう。  最後に。今回の話はあくまでもセオリーです。自分はフリース毛布を一番下にするのが好き、という方はそれでいいと思います。安眠できるのならばそれでいいんですからね。  逆に「山のように掛けているのに寒くてツラい」という方は見直してみてください。掛寝具の重量が半分以下になるかもしれませんよ? 【大野悦史】 元寝具店経営者。都内で十数年ほど寝具店を経営し、その後は寝具コンシェルジュとして活動中。最新寝具のレビュー情報や睡眠豆知識を紹介するブログ「寝具の情報・ニュースまとめブログ」も運営している。
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