冬にありがちな「布団が重くて寝苦しい」問題の解決策 実は5㎏以上の“重し”を乗せている人も
―[元ふとん屋が教えます/大野悦史]―
こんにちは、元ふとんや店長の大野です。寝具に関わっていると、ときどき「重たい掛け布団じゃないと眠れない」という声を耳にします。
詳しく聞くと、「軽い掛け布団だと掛けた気がしない」「軽いと隙間が開く」などの理由が多いみたいです。
重たい布団が好きなら好きでいいじゃない……と思う部分もあるのですが、一方で「重たいのは嫌だが軽いとしっくりこなくて」という、ジレンマを抱えた人もいるわけで、それはやっぱり睡眠を妨げる問題になります。
これはある意味では当たり前な話ですよね。眠っているときに重しを乗せて眠りたくないのは普通だし、あお向けで眠る場合には呼吸で胸部が上下しますから、軽いほうが望ましい。寝返りを打つにしたって身体に掛かる重量は少ないほうがスムーズです。
そこで今回は、そもそも掛け布団はどれくらいの重量があるのかを調べつつ、軽くても満足感のある掛け心地を得るためのコツを考えていきたいと思います。
冬の夜は本当にシャレにならないくらい寒いので、いろいろなものを掛けますよね。そのなかでも代表格中の代表格といえば、羽毛ふとん。
寝具業界では、羽毛ふとんを買うときによく「1.2kgが普通の冬用で1.4kgだと北国向けの増量タイプだ」なんて言います。でもこれは実は、中わたの重量だけの話で、羽毛ふとん自体の総重量の話ではないんです。実際にはそこにダウンを包む側生地の重さが加わります。
この側生地が案外重たい。
綿100%サテンの側生地だと重たいもので2.2kgくらいあります。綿とポリエステルの混紡で軽く作ると1.0kg程度、ポリエステル100なら0.7kgくらいです。
中わた量を一般的な1.2kgとすると、総重量は1.9~3.4kgくらいとなるわけです。
次に毛布です。
毛布は材質によってかなり重量に開きが出ます。基本的には、フリース<アクリル≦獣毛=コットンの順に重たいです。
フリースなら0.5kgくらいからあります。アクリルは1kg~3kgくらい。獣毛やコットンは1.5kg~4kgくらいでゴツイのはかなりの重量になります。
意外な盲点になりがちなのが掛け布団カバーです。基本的に掛け布団はカバー必須なので、この重量も勘定に入れなければなりません。
カバーは非常に軽いもので0.5kgを割るくらい。綿100%の重厚なもので1.2kgくらいが上限です。ただ冬は「暖か掛けカバー」と称するもふもふのカバーを使用する場合もあると思います。この手のものだと近頃は軽量化されたとはいえ1.5kg~3kgと跳ね上がります。
これらを普通に、あまり重さを意識しないで組み合わせると……
羽毛ふとん2.8kg+毛布1.5kg+カバー1.0kgで合計5.3kg
といったところでしょう。
これが軽量を意識しながら品質も求めると大体3.7kgくらいになります。羽毛ふとん2.2kg+毛布0.9kg+カバー0.7kgって感じです。4kgを割るとかなり軽量感が出て睡眠時に楽になり、肩こりや身体の張りを軽減できる可能性もあります。
大体の重量を把握できたところで、軽量化に進みましょう。
ふとんが重たくて困っているという人は、とりあえず寝具の重量を計ってみることをオススメします。
重さと掛け心地を両立させるなら先ずは体重の1割を切るくらいの重量がめどになるかもしれません。それで違和感がなければ徐々にもっと減らしていって、最終的には上記の3.7kg以下が目標値になります。
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