雑学

激安羽毛布団の良し悪しを簡単に見極める方法【元ふとん屋が教えます】

 季節は深秋、すっかり肌寒い日が増えました。この頃になるといろいろな人から頻繁に「羽毛ふとんで一番安いのはどこ?」と言われます。

羽毛布団 でもこれ、すごく答えにくいんですよね。

 ただ安ければいいのであればネットでいくらでも買えると思うんです。でも多分そういう答えは求められていない。真意は、「安全安心快適に使える一番お得なものを教えて」ということなんだろうと思います。

 というわけで今回は、激安羽毛ふとんを求めて市中の量販店を巡ってみました。

 出会えたお得感あふれる値札を付けられていた羽毛ふとんは3つ。

 A店 7800円
 B店 1万4800円
 C店 1万9800円

 果たしてイチバン安さを感じさせてくれた羽毛ふとんは!?

 ……と、優劣を比べる前に、羽毛ふとんの値段の内訳について考えてみましょう。

 羽毛ふとんの価格は簡単に言うと「ダウン7:その他3」に分解できます。つまり、中に充填されているダウンの値段が大半を占めているのです。

 従って価格で差をつけようとすると、絶対にダウンで工夫する必要があります。この工夫次第で安くても悪くないものは作れるし、場合によってはヤバくもなります。

 一方「その他」のほうには側生地やダウンの入るマス目の立体形成、抗菌加工など色々な手間が入ります。作り手側も消費者側も二の次と考えやすい部分と言っていいかな、と。

 これを前提として、オススメ候補の羽毛ふとんたちを見ていきましょう。

ダウンの良し悪しがわかる「1分チェック」方法


 ダウンは見えない部分なので非常に検討が難しい。なので、今回は簡単にできる1分チェックをお伝えします。

 羽毛ふとんの端のほうのマスを振ったり上下に側生地を引っ張ったりして空気を入れてあげます(派手にやるとお店の迷惑になるので優しく神妙にね!)。空気が入ったら掌で上下から挟んで、軽く押し潰しちゃってください。そして直ぐに放す。

 そのとき、見るべきポイントは2つあります。

1.押し潰したときに柔らかさはちゃんとあるか。膨らみが強すぎて全然潰せない、なんてことはないか?

2.手を放したあと、膨らみが回復するか。掌の形がいつまでも残ってペタンコのまま、なんてことはないか?

 後者はわかりやすいと思います。膨らみが戻らないのはダウンに元気がないから。ゆっくりでいいからある程度までは膨らみを復元してほしいところ。回復力の弱いダウンは粒が揃っていなかったり毛足が貧弱だったりといいことないです。

 前者は意外かもしれませんが要注意です。ダウンというのは本来、気温や湿度に応じて開いたり閉じたりするものなんです。が、パンパンに詰められているとそんな開閉能力は当然発揮できず、羽毛ふとんのよさは失われます。

 もっと言うとその詰め込まれているダウン、もともと開閉能力があまりない、死んでいるものなのでは……?

 という訳で、ABCの3店舗で1分チェックをやってみました。

 A店は狭いマスの中に一杯にダウンが詰まったボリュームタイプでした。チェックしたところ、とにかく硬い。回復力うんぬんの前に徹頭徹尾パンパンに弾みっ放し。ダックダウン90%を1.2kg充填と、冬掛け相当の厚みなのはいいけどちょっと心配な出来栄え……。

 B店は逆にマス目の中をダウンが自由に泳げるスレンダータイプ。チェックしたところ柔らか味は十分、回復力はやや心許ないけどダックダウン80%だからこんなものかな。むしろ数字が正直でいいんじゃないかと。ただ充填量が0.8kgなので、薄すぎて11月ですらこれ1枚だと厳しいんじゃなかろうか。

 C店はABの中間タイプでスタンダードな見た目。チェックしたところ柔らか味は十分、回復力は良好、ダックダウン85%相当の力を発揮できている。充填量1.1kgは少し物足りなさがあるけど、不足と言い切るまででもない。

 結論としては値段どおりというとアレなんですが、今回回った中ではC店のが突き抜けてましたね。B店のも悪くはないですが、一応、冬に掛ける羽毛ふとんとして売られてたので、0.8kgじゃ心もとない。やっぱりダウンは高いので、量を削るのが低価格化の近道になってしまうのはわかります。

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「ダウンの臭い」までチェックすべし!

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