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ワンコイン駅弁も! 昭和の薫りたっぷり、ノスタルジー駅弁の魅力

 続いてご紹介したい3ケタ駅弁は「幕の内こだま」(760円/愛知県 東海道新幹線 名古屋駅)だ。シンプルなネーミングに、名古屋城と金のしゃちほこの定番で牧歌的な掛け紙のイラストが実にいい。  大正11年から駅弁を売る、名古屋の老舗「松浦商店」が調整元で、1964年(昭和39年)の東海道新幹線の開業15周年を記念して発売された駅弁「幕の内こだま」。実は同時にグレードアップした「ひかり」(当時は「特製幕の内ひかり」)も発売されていたのだが、現在ではこの「こだま」だけが残っているという。  掛け紙には「一駅ごと、一駅ごとの人々の喜びと想いを乗せて歩みゆく、その姿にこだまの一途さを見た。流行りに流される事なく、今日も進んでいきましょう」と、せわしない現代の世相を風刺したような一文が。駅弁界で「ひかり」や「のぞみ」が無くなった理由もわかる気がする。  掛け紙を取ると、半分を占める白飯。ササミフライ、鯖の照焼き、唐揚げボール、ゴボウと鶏肉の煮物、玉子焼き、蒲鉾、うぐいす豆、昆布巻、そして福神漬が整然と並ぶ「ザ・幕の内弁当」だ。

シンプルなささみフライ

さばの照り焼きから、うぐいす豆まで。おかず陣盤石の布陣

 ささみフライに備え付けのソースをタップリかけて食べる。ササミフライの下から、鯖の照り焼きが現れる。脂が乗っていて実に旨い。唐揚げボールのカリっとした食感もいい。飯→おかず→飯→おかずという規則正いリズムを刻む。おかずと同時に白飯を食べ終わりたい。甘く煮られたうぐいす豆がまたいい。幕の内弁当でないと出会えないおかずだろう。  この駅弁は名古屋駅では根強い人気があるようで、’15年の「50回大会」でも東海道新幹線50周年にちなみ0系新幹線が描かれた“復刻掛け紙”で登場していたものだ。  競ったように出ては、消えていく新作駅弁も良いが、やはり、昭和の時代から人々に脈々と愛されてきた駅弁には魅力がある。会期中、ぜひ手に取ってみてほしい。  駅弁記者は明日以降も会場に出没し、注目の味、鉄板の味、隠れた逸品、珍品をレポートします! 取材・文・撮影/駅弁記者(参加=11年連続16年目)
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【第53回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会】
1月10日(水)~23(火)
京王百貨店新宿店7階大催場
午前10時~午後8時 ※23(火)は午後6時閉場
https://www.keionet.com/info/shinjuku/ekiben2018/index.html
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