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ロックTシャツの正しい着こなしとは?/ラフ・シモンズに学ぶ

 次に2です。そうはいっても、別にバンドマンじゃないのだったら、黒スキ二ージーンズにロックTを合わせるのはやめましょう。そこは避けます。そこは避けてスタイリッシュに見せるために、例えば黒が基調だったら全身を黒か、またはそのTシャツの中で使われている色内におさめましょう。Tシャツの生地の色に合わせるといいでしょう。また、ラフ・シモンズのようにTシャツとトレーナーを重ね着してもいいです。その場合もぜひ同じアーティストのものに。ラフ・シモンズのスタイリングは上に着ているジョイ・ディヴィジョンのトレーナーがばっくり割れて、中からニュー・オーダーが見えていますが、ファッション学校の学生でなかったら、ここまで真似する必要はないと思います。ちょっと穴が開いていたり、裂け目があったりして、中から違うTの柄が見えるぐらいだったらOKです。  そしてパンツ、ジャケットやコートなど、その他のアイテムは、今どきのシルエット、つまり少しゆったり目のものにします。ラフ・シモンズのコレクションでは、足元が黒長靴で、頭に農作業風の帽子をかぶっていますが農作業とかガーデニングでない場合は、ここは真似しないほうがいいです。普通に持っているスニーカーなり、エンジニアブーツなりにしておきましょう。  最後の3です。男性にとって、バカっぽく見えるというのは致命的です。知性のみじんも感じられないスタイルは、それがどんなにファッショナブルであったとしても、「却下」「無視」の対象であり、もっとも気をつけなければいけないポイントです。ですから、そのロックTを着て、もし誰かにそのロックTのアーティストについて聞かれたら、一晩語っても平気なぐらいにしておきましょう。それができないのだったら、「知りもしないのにおしゃれのために着ているただのバカ」です。これはいけません。ですから知りもしないのにジョイ・ディヴィジョンのTシャツに手を出してはいけません。ファッションしか考えていないバカに思われます。やめておきましょう。  メンズのモードは、そのまま着て出かけると、「意味不明」「滑稽」となってしまうようなものが多くあります。そうならないために、あくまでさりげなく、一般の人が理解できる範囲で、知性をキープして、ぎりぎりのラインをねらいましょう。<TEXT/小林直子> 小林直子
ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。新刊『わたし史上最高のおしゃれになる!』は発売即重版に。新刊『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』が発売中
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