更新日:2022年12月17日 22:30
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日本は“街の安全を守る「パブリックセーフティ」”に消極的!? 海外では導入が進んでいるのに

中国・ファーウェイは世界200都市に納入

AIに[都市の安全]は守れるのか? なお、この分野においてすでに世界でビジネス展開を成功させているのが中国・ファーウェイだ。 「同社はMWCのメインスポンサーで、参加企業中最大のブースを構えていたんですが、パブリックセーフティ分野の展示は見当たらなかった。関係者に事情を聞いてみると、『パブリックセーフティの展示物が大きすぎて会場に入りきらない』とのこと。環境対策などまで含み、かなり力を入れているとのことでしたね」(河氏)  ファーウェイは「協調型パブリックセーフティ」というコンセプトを提唱している。シンガポール警察の元幹部で同事業最高責任者のコー氏を中心に、「C-C4ISR」というソリューションを開発。これは、通信機器や通信技術、クラウドなどを活用し、複数の組織間でデータ共有・分析を進め、犯罪・災害防止から復旧までの精度とスピードを向上させる仕組みだ。なお、ファーウェイはすでに世界80か国、200都市でパブリックセーフティ事業に関わっているという公式発表もあった。 「日本では『個人情報を盗まれる』と抵抗を示す人も多く、自治体も及び腰ですが、海外では『データをあげるから役立つ使い方を教えてくれ』というところが多い。自分たちの持つ資産を使って、自らの安全を守るという意識と言い換えてもいいかもしれません。すでに日本でも、法律や技術的課題はクリアになってきていますが、コンセプトに対していかに賛同してもらえるかが、日本におけるパブリックセーフティ分野の盛衰を左右すると感じます」(国内セキュリティ企業の関係者)  犯罪抑止や災害対策、また混雑緩和や事故防止まで、幅広い領域でメリットがあるパブリックセーフティ。自治体や警察、民間企業が乗り出し、データやAIなどテクノロジーは、街づくりにどんどん活用されていくはずである。その状況に対して、我々はどのような意識を持つべきか。時代を先読みする力や、新たなデータリテラシーが求められている。 ― AIに[都市の安全]は守れるのか? ―
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