更新日:2022年12月26日 01:21
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便利な社内チャットは男性社員のゲストークで溢れていた

―[セクハラ四季報]―
便利な社内チャットは男性社員のゲストークで溢れていた「ちょっとした連絡で、電話してくる必要なんてない」  ホリエモンこと堀江貴文氏は昨年ベストセラー本になった『多動力』(幻冬舎・刊)でこうしたことを語っていたが、それを受けてか知らずか、いまや日に日に導入事例が増えている「社内チャット」。  代表的なツールとしてslack、チャットワークなどが挙げられ、メールと違い、ファイルの共有、グループコミュニケーションが容易に可能となる。  そうした利点もあるが、なにより“気軽に使える”というのが最大の特徴。社内であっても、メールでやり取りしようとすると、「○○さん お疲れ様です、○○です」など、細かいビジネスマナーを気にして、用件以外のことも書かなければならなくなるため、必要以上に時間がかかってしまう。その点、チャットでは用件のみを送るため、文面も会話しているかのようにフランクだ。  だが、自由度が高くなればなるほど、誘惑が増えてくるもの。本来の使い方の通り、ビジネスチャットをしている者もいれば、生産性のない下世話なトークをはじめてしまう者もいる。

フレッシュなグラビアアイドルを発掘したらすぐに共有

 チャットツールを推進するIT企業に勤めて5年のSさん(34歳・エンジニア)は、社内の男性グループだけで作成された「グラドル情報」部屋があると語る。 「エンジニア、デザイナーと職種を横断したメンバーがいるため、共有される時間軸もバラバラ。早く返信できるように『ポップアップ機能』をオンにしているため、真面目なやり取りの途中に巨乳で可愛い子の写真が通知されてきたりします。真面目モードだったのが一瞬にして崩れ去りますね」  傍から聞いていると、なにも実りのない時間だが、Sさんは帰ってからのお楽しみとして、一応はEvernoteにクリップしておくという。

社内の女性を話題にあげ「ヤリたい」宣言

社内Slack

欲望を隠そうとしない書き込み。もはや社内チャットは動物園に近い

 さきほどの話題はまだ“ゲスさ”で言えば序の口。先述のSさんは「社内のカワイイ女性」へのセクハラ発言も野放しになっていると言う。 「PCに向かって作業しながらも、結構な数の男たちは、社内の女性の服装などを毎日チラチラとチェックしています。そのため、『同期の○○ちゃんの服今日カワイイ』『胸強調しすぎだろ。電博と合コンだな』『シンプルにヤリたい』など、バレたら余裕の#metoo案件になる書き込みがグループ内では飛び交っています」

「このブス調子乗ってる」ネット記事に対して毒づく

 そして最後に「カワイイ」「ヤリたい」とは真逆のベクトルとして、徹底的なディスを浴びせることもある。 「SNSでその日拡散された面白い記事が共有されるのですが、よく仕事観や生い立ちを聞く“一般人のインタビューもの”に関しては、冷めた意見が多いですね。ネットで出しゃばっているのが鼻につくのでしょうか。いわゆるWebのインフルエンサーも『生理的に嫌い』という感想ですし、“おもしろ系”の企画に出ようものなら『ブスが調子乗るな』と笑けてしまうぐらい痛烈です」  こちらもやはり『多動力』に関するインタビューで、堀江氏は“「他人の時間」を生きるのは自分の人生に対して失礼ではないだろうか。”と語っていた。いくらチャットツールが便利だからといって、他人の書き込みに感化され、そのタイムラインを気にしてしまっては、「仕事の効率化」とはかけ離れる。スマホゲームしかり、チャットツールは適度な距離感で使用していくのがベターなのだろう。<取材・文/日刊SPA!取材班> ― セクハラ四季報 ―
―[セクハラ四季報]―
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