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防衛の要・潜水艦の写真が簡単に撮れた…秘密ダダもれの平和ボケ



 我が国の潜水艦の製造・修理は三菱重工と川崎重工が行っており、神戸にはこの2社のドックがあります。潜水艦艦隊は横須賀と呉の2か所にありますが、どちらに所属する潜水艦も神戸のどちらかのドックにはいります。

 航海をすれば海水で腐食したり海洋生物が付着したりします。また消耗した機器類なども取り替えないといけないので、定期的にドックに入ります。潜水艦では液体酸素など取り扱いを間違えると爆発する可能性があるものも使います。整備、修理、検査などを怠ると重大な事故につながるため定期的な点検は絶対に必要です。

 潜水艦は修理ドックにいる間、水を抜かれ船底が見える状態なはずです。となると、潜水艦の重要な秘密であるプロペラの形状は見えないのでしょうか。カバーをかけているのでしょうが、望遠カメラで録画される危険があります。一瞬のスキも見逃さないようにカメラはどこかで狙っているかもしれません。

 低い建物しかなかった昔の神戸港とは環境が変わっているのです。高層ビルが建ち始めたときに、潜水艦用の修理ドックにも屋根や壁をつくるべきでした。チープな運用では秘密は守れません。国の最高機密の潜水艦の修理をたくさんの人が集まる観光地の対岸の露天で行うほど我が国は平和ボケなのです。

 神戸のこのドック付近は観光地であるだけでなく、高層のマンションや商業施設が多く建てられている場所です。この露天の修理ドックを真上から見ることができる位置に高層マンションがあります。やろうと思えば、潜水艦ドックを真上から望遠で詳細に撮影することができるはずです。特定の国の方の入居が増えているという噂も聞きましたが、その噂を公に調査したり、入居を差し止めたりする法律はどこにもありません。

 米軍は関係施設付近に商業施設ができるような場合、計画地の土地を事前にすべて買い取ってしまい計画を中止させるようなこともします。守らなければならない軍の秘密は資金をつかっても米国は守り抜きます。

 秘密を保護しようという気が我が国にないからこのザマなのです。自衛隊には予算も権限もありませんから、屋内ドックを作ってほしいとは言えません。我が国の領土領海を狙う国は、こうやってあちこちから漏れ出て来る情報を蓄積して着々と作戦を立てているのです。この現状を怖いとも感じないほどに日本は平和ボケしてしまっているのでしょうか。そして、その行き着く先は……? 装備の充実や増強ももちろん大事な課題ではありますが、何より「それ以前の問題」が問われているように思えてなりません。<文/小笠原理恵>

国防ジャーナリスト。「自衛官守る会」顧問。関西外語大学卒業後、報道機関などでライターとして活動。キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)を主宰
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