雑学

災害で駆けつけた自衛官が、毛布もなくザコ寝する画像…これでいいのか?

「自衛隊ができない30のこと 28」

災害派遣要請に応じる自衛官

陸上自衛隊HPより

 東日本大震災における自衛隊の活躍は、今も多くの人が記憶していると思います。冷たい泥と瓦礫の中で懸命に救助作業を行う彼らを「安全保障以上に災害対応で必要な集団」と感じている人も多いかもしれません。

 実際に、地震や津波、台風・豪雪・水害・火山爆発などの自然災害、口蹄疫や鳥インフルエンザといった疫病対策等のさまざまな場面で、自衛隊には地方自治体からの災害派遣要請があります。

 災害は突然に起こるものです。特に火山爆発や地震、家畜の疫病などは予想がつきません。自衛隊は、これまでの経験から、緊急時にコンクリートを割ったり建物をこじ開けたりする道具や防護服、耐熱装備などの災害対応に必要な機器や技術を有しています。しかし、自衛隊は「災害対応のためにある組織」ではないのです。

ロクな準備もなく、とにかく駆けつける


 自衛隊は通常は国防のために必要な訓練や演習などを行っています。1つの部隊が複数の仕事を受け持っており、災害対応に特化した部隊は存在しません。そんな専任部隊や専用車、専用の在庫をもっていられるほどの予算や人員を持っていないのです。つまり、いつでも出動できる準備が整っていて、車両に非常用災害セットを積み込んでおけるような体制ではないということです。災害派遣要請があれば、その時やっていた訓練や演習を止め、基地に帰って来て、車両に載っている機材などを全部降ろして片付け、必要な機材や装備品を載せてから出て行くわけです。

 派遣要請の内容にもよりますが、人命救助なら生死を分ける時間は72時間です。救助に向かうまでの時間が少しでも短い方がいいことは言うまでもありません。だから、派遣部隊の第1陣は、「とるものもとりあえず」、「必要最低限のモノだけ」を載せて人命を救うため、困っている人を助けるために、駆け付けることになります。

 要請を受けた部隊がどれほどの装備品や車両を持っているのかは、その部隊によりまちまちです。比較的余裕があって、災害派遣のための物品を事前に車両に乗せていられるような部隊もあります。しかし、中にはカツカツの予算でやっていて手持ちの車両も小さく、一度に大量の物資を運べないような部隊も存在します。

寒い体育館に、毛布もなく雑魚寝する自衛官


 自衛隊は、基本的には食料も野営も用具一式、お風呂まで持っている自己完結型の組織です。だから、派遣要請した自衛隊のためには何も用意は必要ないと自治体は考えています。たしかに、時間が経てば自衛隊独自の輸送方法を使って野営のための物品は運ばれてくるのですが、輸送用車両に隊員用の寝袋が積み込めず、最初の数日はこんな状態の派遣になる場合もあるということです。

災害派遣要請に応じる自衛官 写真をご覧ください。特定されないように、背景の色彩や自衛官の顔などは目隠しを入れていますが、現実の災害派遣で疲れ切った自衛官が「寒い夜にひと時の休息をとっている」時の画像です。暖房もない冷たい体育館の床に雑魚寝です。

 自衛隊員が震えながら雑魚寝をしている様子を見るに見かねて、毛布や貸布団などを先に用意する担当者もいるようですが、このケースのように全く気にかけることなく放置する場合もあるのです。

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若い隊員は決して自分から弱音は吐けないのです

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