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大企業のエリート40代が女装趣味をやめられないワケ「妻にも内緒です」

おっぱいが妻にバレないために

 おっぱいがあるうえに、隣に座る雨音さんからは香水の匂いがプンプンする。これから妻のいる自宅に帰るというが、果たしてバレずにやり過ごせるものなのだろうか? 「家に帰る前に銭湯に行って匂いはしっかり取りますよ。それよりも大変なのはブラジャーの跡。1時間くらい湯に浸かってなじませないと背中に付いたブラ紐の跡が取れないんです。月7000円で女装道具専用のコンテナも借りていますよ。はじめはダンボール1箱だけだったけどすでにパンパン」
女装おじさん

このバッグは月7000円で借りているコンテナ行き

 ブラ紐の跡が取れにくいという苦労は分かったが、問題はそのおっぱいである。夫婦なのでもちろん夜の営みもあるだろう。女装がバレたら離婚というのだから、まさか「女のコが好きすぎておっぱいを入れてみました」なんて理由が通用するはずがない。
女装おじさん

ホルモン注射の影響でいまでも胸が膨らんでいる雨音さん

「肝臓が悪いと男性でも胸が膨らむことがあるらしいんですよ。というわけで妻は出会って以来、“肝臓に持病アリ”と心配しています。それに合わせて自分もお酒を節制するふりをずーっと続けています。そもそもお酒が得意な体質ではないのでほとんど困りませんが」

「ホントにキツいなと思ったら遠慮なく言ってちょうだい」

 女装姿で街を歩くのは楽しいけれど、奇異な目で見られることが多く嫌な思いをすることもあるという雨音さん。「人様に迷惑はかけたくないので女装仲間には“ホントにキツいな”と思ったら遠慮なく言ってちょうだいとお願いしている」という。ぶっちゃけもうキツい気もしなくはないが、趣味は人それぞれ。むしろ管理職おじさんと女装というギャップも効いているイカした趣味だと思うので、雨音さんにはこのまま女装街道を突っ走ってもらいたい。<取材・文・撮影/國友公司>
元週刊誌記者、現在フリーライター。日々街を徘徊しながら取材をしている。著書に『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)。Twitter:@onkunion
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