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W杯現地入りサポーターが知らない「ロシア最新事情」――街中の撮影は警官が制止する!?

 「2018 FIFAワールドカップ ロシア」が開幕、日本代表のグループリーグ初戦、コロンビア戦を2-1で勝利した。連日熱戦が繰り広げられているが、その舞台となっているロシアについて、我々はどれだけの知識を持っているだろうか。  プーチン大統領、面積がもっとも大きい国、名物料理はボルシチ……という以外に堂々と現在のロシアについて語れる人はそう多くないだろう。  いったい、2018年のロシアとはどういう国なのか。産業事情から市内の風景まで、現地に頻繁に足を運んでいるロシアの“プロ”に話を聞いてみた。

理系の国、ロシア

「一言で言えば、理系と農業の国。それが今のロシアです。旧来型の小麦栽培に加えて、高度な理系の研究者を携え、FinTech関連の技術開発が進んでいます」  そう語るは、Bsmoグループ代表取締役の清水正氏。清水氏は現在、ロシア商工会議所のメンバーをパートナーに迎え、ロシアで高度医療機器を販売するプロジェクトを進めている。実質的に、日本で唯一ロシアに進出しているベンチャー企業だ。  なぜ、ロシアに進出する日本のベンチャー企業は少ないのか。 「高度医療機器の仕事をする場合、ロシア政府からの許可が必要なのですが、それがとても煩雑。承認書で修正点が一箇所でもあった場合、お役所仕事なので、その修正に3か月かかるなど、かなりの時間を取られることも珍しくありません。決してスムーズにビジネスを進められる環境とは言えないのです。事実、私もロシア政府から初めて高度医療機器の販売を認めてもらいましたが、販売にこぎつけるまでに2年半かかりました。これでも私はロシア政府と近い立場のメンバーをパートナーに入れられたのでマシな方かもしれません」

ロシアでの商談中の風景

 理系大国のロシアで、現在もっとも盛り上がっている分野が仮想通貨だ。エストニアを始めとして、東欧はブロックチェーン技術に積極的な国家が多いが、ロシアもその例外ではない。 「ビットコインやイーサリアムはロシア系のパートナーが手がけているのは仮想通貨クラスタではかなり有名な話です。ロシア国内には、大規模な仮想通貨のマイニングのファームが何箇所かあります。土地代と電気代が安いのが最大のメリットです」
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“おそロシア”な側面も…
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