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本田圭佑は中村俊輔になれるのか? サッカー日本代表の浮沈を左右する本田の立ち振舞い

 本日19日、サッカー日本代表がいよいよロシアW杯のグループリーグ初戦のコロンビア戦を迎える。直前の監督交代も含め、この4年間を有効に使えたとは決して言いがたい日本代表。だが、本大会前最後のテストマッチでパラグアイ代表に4-2で勝利するなど、ここへ来てごく僅かながら希望の光が見えてきた。本大会に出場しないためモチベーションが低かったとはいえ、パラグアイは熾烈を極める南米予選で最終節まで出場を争った強豪だ。今夜のコロンビア戦は、このパラグアイ戦の戦い方をモデルとして挑むことになるだろう。

サッカー日本代表(キリンチャレンジカップ2018)

 パラグアイ戦では何人かの選手が明らかに状態を上げてきてきていることを示したが、特に乾貴士の復調は非常にポジティブなトピックだった。ガーナ戦後の記事にも記したように、所属するリーグのレベル、今季の実績、プレー内容などを見れば、現在の日本ではこの乾をチームの中心に据えるのが至極当然だ。守備でのポジショニングにも優れた乾は決してベンチに置くジョーカーなどではない。今の乾をベンチスタートさせるのは試合を放棄してしまうのと同義だ。

乾貴士

 そして乾と同様に存在感を示したのが香川真司だ。セレッソ時代に培った乾とのコンビネーションは健在。パラグアイ戦では乾とのセッションを楽しむように自由にポジションを入れ替え、何度も決定機を演出してみせた。

 新たにチームを構築する時間が無い以上、すでに連携が完成されている攻撃ユニットを中心に据えるのは、短期間で行える最も効率的且つ現実的な方法だ。乾起用の副作用も働いたことで、香川は4-2-3-1のトップ下での先発が濃厚となった。

香川真司

 その一方で、長年代表を引っ張ってきたこの男はいよいよ土俵際に追い込まれることとなった。香川と同じくトップ下を主戦場とする本田圭佑だ。

コロンビア戦はベンチスタートが濃厚な本田圭佑


 自身3度目の、そしておそらくキャリア最後となるW杯で、本田はベンチに座る時間が長くなりそうだ。

本田圭佑

 前述の通り、トップ下では香川の先発が濃厚で、右サイドには運動量と縦への推進力に優れた武藤嘉紀、あるいは原口元気が起用される見込みだ。本田がピッチに立つとしたら試合終盤、香川に疲れが見え始めた時間帯になるだろう。これまで大舞台で無類の勝負強さを発揮してきた本田だが、その衰えは否定できない。今大会に限って言えば、ピッチ上で違いを生み出すチャンスは多くなさそうだ。

 では、本田にできることはもう残っていないのだろうか。いや、そんなことはない。決勝トーナメント進出を果たした2010年南アフリカ大会の中村俊輔の振る舞いに、そのヒントがある。

南アフリカW杯グループリーグ突破を陰で支えた中村俊輔の立ち振舞い


 現在の本田が置かれた状況は、8年前の南アフリカW杯時の中村俊輔とよく似ている。長らく日本代表の大黒柱として活躍してきた中村も、自身最後のW杯を前にコンディションが上がらず、大会直前にスタメンを外された。代わってチームの攻撃を牽引したのが、当時24歳だった本田だ。初戦のカメルーン戦で決勝点を上げると、第3戦のデンマーク戦でも鮮やかな無回転FKを叩き込み、チームのベスト16進出に大きく貢献したのだ。一方の中村は途中出場1試合のみに終わり、ピッチ上では結果を残すことができなかった。

 だが中村は、ベンチでただ何となく試合を眺めていたわけではなかった。戦況を見つめながら近くに座る若手に試合の流れを説き、ゲームが中断した際にはベンチ前に集まった選手たちに率先して水のボトルを渡し、的確なアドバイスで自らの経験を還元した。

 直前でメンバーを外れ失意の中での本大会だったはずだが、それでも中村は戦うことをやめなかった。チームの力になるため、その時の自分にできることをやり続けたのだ。ベテランの献身的な姿勢に、ピッチの若手が奮起しないはずがない。当時長友らレギュラー組の選手たちから「俊さんや他の出られない選手たちの分も」というコメントが度々聞かれたことからもわかるように、中村の振る舞いはチームが団結する上で大きな役割を果たしていたのだ。

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本田圭佑は中村俊輔のようにプライドを捨てられるか?

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