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日本×ポーランド戦に激しいブーイング。現地にいた日本人サポーターも「否定派8割」

日本サイドのだらだらパスにブーイング

 すると会場内からは大きなブーイング。そして「ロシア!ロシア!」の大合唱。ポーランドサポーターではなく、ロシア人たちが派手に親指を下に向けている。急に訪れたヒリヒリとした空気。なんとなく会場を支配していた「日本がんばれ」の空気が一変した。最後の交代のカードが長谷部に切られたとき、全てを察した。「0-1で負けてもこのままいけば2位で突破できるのか!」と。

ウェーブや「ロシア!ロシア!」の大合唱。そののち大ブーイング

 だらだらとパスが日本サイドで回るたびに起こるブーイング。セネガルが得点をしたら、水泡に帰す戦い方。スマホとピッチ両方を見ているが、なぜか流れが頭に入ってこない。周りのロシア人はぞろぞろと席を立ち、後ろのオッサンからは再び頭を捉まれ、「日本がポーランドを倒すところを見に来たのに失望した。決勝トーナメントに行ってもこんなゲームじゃ勝てないと思うぞ!」「強い日本はどこ行った?」と矢継ぎ早に詰られた。  そのまま0-1で試合終了。グループリーグの最終戦はこうした試合が多くなるのは知っていたが、日本代表が、極めて現実的な作戦を取ったことに動揺した。  ピッチ上ではウガスカジーの「勝利の笑みを君と」が大音量で流れた。コロンビア戦後もこの曲が流れたが、まったく高揚感がなく虚しく響く。  帰り際「決勝トーナメント、おめでとう」と多くのロシア人から言葉をかけてもらったが、なんとも居心地が悪い。勝ち点3を得てご機嫌のポーランド人からは、「次頑張れよ!」とエールを送られたが……。

1勝して面目が保たれたポーランドサポーターはユニフォーム交換をしてご満悦

 現地の日本人サポーターの意見も聞いたが、「否定8割、肯定2割」といったところだった。それはそうだろう、苦労してロシアに来て「最悪」と評された試合を見せられたのだから。グループリーグだけを見て帰国するという人はとくに憤りを顕にしていた。

スタジアムからの帰り、繁華街で見つけた香川と思われる壁画。「カガワシンジ 日本人」と書かれている

 記者はこの原稿を、24時間かけてモスクワに行く寝台列車のなかで書いている。同じコンパートメントになったポーランド人は「その怒りも分かるし、昨日の試合も分かる。ただ、ドイツが我々と同様、さっさと家に帰るのは愉快だけどね」と笑い飛ばしていた。

モスクワまで24時間の列車の旅。電波も途切れ途切れで、苦戦しています

 次の試合はヴォルゴグラードから西に300kmのロストフ・ナ・ドヌーでG組1位のベルギー相手と決まった。聞くところによるとさらに灼熱の地だと聞く。一旦モスクワに戻ったあと、地元ロシア×スペインの試合を見たあと、ロストフ・ナ・ドヌー入りして、街の様子や、戦いについてお送りする予定でいる。 取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)
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