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本田圭佑登場で会場の空気が一変。セネガル戦でロシア人の“ホンダ愛”を見た

国歌斉唱、W杯で32か国の国民だけに許された「鳥肌もの」の瞬間

 24日(日本時間25日0時)に第2戦を戦った日本代表は、常に先行を許しながらも最終的に追いつき、2-2の引き分けとし、’10年南アフリカ大会以来の決勝リーグ進出へ大きく前進した。

 この日、エカテリンブルクの街は朝から快晴。夜8時から行われる試合まで時間があるため、街に繰り出すと、そんなに多くない観光名所はどこも日本人サポーターの姿が見られ、前回のサランスクのように、コロンビアサポーターの黄色い軍団に街が席巻されることもなく、美しい街は“静穏”を保っていた。

 日本人サポーターが地元の人に配っている、ハチマキを着けて歩いている子供なども見られ、日本代表のユニフォームを着ていれば、記念撮影を頼まれるという、ちょっとしたアイドル状態に。

スタジアム周辺は「青一色」といった感じだった

 スタジアムに早めに出かけてみると、その道中から青のユニフォームだらけだった。大勢の日本人サポーターが開門を今や遅しと待ち、とくに気炎を上げるでもなく、静かに闘志を漲らしている雰囲気だった。一方のセネガル人は数えるほどしか発見できない。

流暢な日本語でのアナウンスを行っていたウラル連邦大学のボランティア

 会場の外では流暢な日本語アナウンスがされていた。地元のウラル連邦大学で日本語を学ぶ学生さんとそのOBがボランティアをしているそうで、一生懸命に話しかける姿に好感を覚えた。

おばけスタンドにアタックするも……


いざ、登頂!と意気込んでいたが……

無骨な鉄骨で組まれたスタンド

 試合3時間前に開門。あの名物スタンドに“登頂”してやろうと意気揚々と仮設の階段を上がってみたが、なにか様子が違うことに気づく。そう、仮設スタンドではなく普通のスタンドに入っていくではないか。入り口のお姉さんに聞くと、上段は主に地元の人向けに売られた席(ロシア在住者は1280ルーブル(約2000円)と外国人の1/5の価格)で、チケットを持つ以外の人が立ち入ることは、規約上できないという。

 前回の記事で、記者の席は「名物スタンド」と張り切っていたのに、上がれない……。待ちきれず開門前から並んだテンションは、正直だだ下がりになってしまった。

ガラスの仕切りで上部には行けない

 スタジアムの構造上、記者の席は本来のスタジアムの最上段部の席。その後ろに仮設スタンドが設置され、その間は行き来ができないようになっていた。

最上部にいる人が羨ましい

 西日が直に当たるゴール裏スタンドから、真後ろの仮設スタンドを見やる。思ったより角度は緩い気がする。地元の人がどんどんと増えてきた。試合開始時には日本人4割、ロシア人5割、セネガル人1割といった割合になっていた。

 記者のスタンドの遥か下に日本の応援団がいるためか、周りにはハチマキをしたロシア人が多い。しかし、試合が始まっても満席にはならず8割の入りと、前回のコロンビア戦のような超満員でハイテンションといった雰囲気ではなく、どことなくのんびりした空気が流れていた。

 試合はいきなりセネガルが先制した。反対側での出来事で一瞬何が起きたかわからなかったが、周りのロシア人はやはりゴールの興奮を待っていたようで、セネガルへと声援が傾きはじめた。ハチマキをしているにも関わらず、セネガルに声援を送っている人もいる。日本の応援団はそんな雰囲気を察知したのか、ロシア民謡「カチューシャ」を歌い、なんとか会場の雰囲気を変えようと奮闘している。

 しかも、GKのクリアミスというまずい点の取られ方。期待感がしぼんだかに見えた矢先、乾がヘッドで、眼の前のゴールネットに美しい弧を描いた。同点。総立ちの観客。記者の横には、青いワンピースを着た20代後半くらいの、地元の女性が一人で静かに座っていたのだが、このゴールに立ち上がるも、とくにリアクションはナシ。

 サイドが変わった後半、目の前でセネガルの勝ち越しゴールが生まれた。ネットを突き破らんかという豪快なゴールにまたもロシア人たちは興奮。拳を突き上げては「セネガル!セネガル!」「マネ!マネ!」と盛んに声を出している。

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本田の登場で空気が一変

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