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トヨタの新型『頭文字C』の実力はどうなのか?

 この世界の片隅ならぬ、SPA!の片隅にまで、わざわざ目を通していただいているみなさまには、「頭文字」と書いてイニシャルと読むのは、今さら解説不要と存じます。そんなトヨタの頭文字Cこと「3C」が新型になりました! 若返りを図るため、3Cの中核を担う新型クラウンは、わざわざ“ニュル”で鍛えたそう。これで悲願成就はできるのか? トヨタ3C MJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

ユーザーの若返りはできるのか?

 不肖、永福ランプ、このたびはトヨタの新型「3C」を取材してまいりましたっ! 3Cとは、下からカローラスポーツ、クラウン、センチュリーの3台のことであります! 3台ともイニシャルが「C」なので、3Cであります! トヨタの3Cといえば、もともとはカローラ、コロナ、クラウンのことでした。うちコロナは現在、プレミオ/アリオンと名前を変え、ユーザー平均年齢70代という、生きる化石型セダンとして存続しておりますが、コロナという名称は、すでに17年前に永眠しました!  こうしたユーザーの高齢化問題は、カローラもクラウンも深刻であります。どちらも平均年齢は70歳前後に達しておるのです!  軽自動車を除く国内登録車販売において、約5割という圧倒的シェアを誇る大トヨタですが、「ユーザーをなんとか若返らせなければ!」との焦りは強いものがあり、「今度こそ!」という感じで、思い切った若返り策を取っているのであります!  で、新型「3C」はどうか?  まずカローラスポーツ! カローラと言えば、本邦では「凡庸」の代名詞ですが、このカローラスポーツは違います! 見た目も若々しいし、中身が大変しっかりしており、マジな話、VWゴルフとガチで比べても、走りに遜色ございません!  かつて、故・徳大寺有恒巨匠は、『間違いだらけのクルマ選び』にて初代VWゴルフを絶賛し、「国産車は足元にも及んでいない」と猛批判。大ベストセラーとなりましたが、あれから40年余。ついにカローラはVWゴルフに追いつきました! だいたい。  しかし、それでユーザーの若返りができるかというと、そうはまいりますまい。なにしろ若者は『間違いだらけのクルマ選び』を知らない!「ゴルフと肩を並べた!」なんつっても、「はあ?」。地方の若者は軽で十分、都会の若者は電車で十分。250万円くらいする新車のカローラスポーツを、男の60回ローンで買ってくれる若者など滅多にいない。無理して買ったってモテないし。  このカローラスポーツ、実は主戦場は欧州なのであります! カローラスポーツの欧州戦線での健闘を祈ります! 敬礼!
トヨタ3C

<COROLLA SPORT>TVCMで、菅田将暉と中条あやみが楽しそうにドライブデートしているカローラは、トヨタの世界戦略車。常にVWゴルフと比較されます。ハイブリッドモデルと1.2リッター直噴ターボをラインナップ。213万8400円~

 
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新型クラウンは“ニュル”を鍛えました!
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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