カーライフ

N-BOXの兄弟車N-VANはモテないカーマニアの最後の砦だった

 結局、N-BOXがライバルをリードしている最大の理由は、「一番ハコっぽいカタチがイイ」ということでしょうかね? 軽の場合、「走りがイイ」という理由でバカ売れしたことは皆無なので、それくらいしか考えられません。  そのように、いまや国民車としてウルトラバカ売れ中のN-BOXなわけだが、それをベースにして、このたび商用車が開発された。それがこのN-VANです。  軽ワンボックスの商用車というと、宅配便が思い浮かぶことだろう。このN-VANは、働くクルマとしての積載性や耐久性では、スズキやダイハツのライバル車に多少劣る面もあるが、そのぶん一般ユーザーにも売る気マンマンで、実際快適性では断然リード。見た目も機能に徹したハコそのもので、見るからに一服の清涼剤です。  特にスバラシイのは、車中泊の機能だ。  2列目はもちろん、助手席まで床下に収納できるので、運転席を除けば、床を完全にフラットにできる! おひとりさまならラクラク住めます! 移動事務所にもできるし、キッチンカーのベースとしてもイイ!
ホンダN-BOX

今回撮影・試乗したのは丸目がオシャレな「N-VAN+STYLE FUN」(156万600円~)。ただのN-VAN以外に+STYLE FUNと+STYLE COOLをラインナップしています

 N-VANは商用車なので2年ごとに車検が必要だが、値段はN-BOXより25万円くらい安い。それでも一番高いヤツをフル装備すると、220万円くらいになっちゃうんだけど、家だと思えば高くはないだろう。6速MTモデルも用意されているので、ファミリーのいないモテないカーマニアにとっては最後の砦、終の棲家の有力候補です、涙。
ホンダN-BOX

駆動方式はFFと4WD、ミッションはCVTと6MTから選択可能。もちろんターボもございます。自宅に入れてもらえなくなったらN-VANで生活します(担当K)

 このようにして、ホンダの国内販売は、ますます軽自動車頼みになっていきそうなのでした。 <結論> N-VANの販売は絶好調。商用車が一般ユーザーにもバカ売れするなんて、日本でしかありえない色即是空な現象だ。日本の自動車市場の特殊性は、ますます奥深くなっているのでした
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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