更新日:2018年09月25日 14:33
カーライフ

N-BOXの兄弟車N-VANはモテないカーマニアの最後の砦だった

「ナンバープレートが黄色で軽油を入れるのが軽自動車」と思っている人は、軽自動車=安いクルマと勘違いしていたりします。イマドキの軽自動車は安くありません! 軽自動車の燃料はレギュラーガソリンです! 軽油はディーゼル車の燃料! まあ、そんなクルマに関心が薄い人も、日本一売れているクルマの動向は知っておいて損はありませんよ ホンダN-BOXMJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

ホンダN-BOXに商業車の兄弟が誕生

 ホンダの普通車が、販売不振にあえいでいる。まあ国内に限った話ですが。  最大の誤算はフィットの不振だ。フィットは、初代・2代目とも国内販売日本一の座を獲得したが、5年前に3代目に切り替わってからは低調で、近年はライバルの日産ノートやトヨタ・アクアに、大きく水をあけられている。ホンダとしては、トヨタはともかく、日産にコテンパンにされているのは、はらわたが煮えくり返る思いだろう。  ステップワゴンも調子が悪い。現在の5代目は、後ろからも乗り降りできる「わくわくゲート」で盛り返しをはかったが、前から見ると幅が狭く、貧弱に見えるせいか、ライバルの日産セレナや、トヨタのノア/ヴォクシー/エスクァイア3兄弟の半分以下という惨敗を喫している。ホンダとしては、トヨタはともかく、日産にボロ負けしているのは、怒髪天を衝く思いだろう。  かつて売れまくったオデッセイは死に体、ジェイドは記録的な販売不振。アコードやシビックは、海外では相変わらず主力だが、国内では今やマニアック車だ。ヴェゼルとフリードの好調で、なんとか国内販売第2位の地位を守っているが、普通車に限っては、ノートとセレナ以外ロクに売れてない日産に肉薄されているありさまなのである。  そんなホンダの国内販売を、一本足で支えているのが、軽自動車のN-BOXだ。昨年は、普通車も含めて販売台数日本一に輝き、今年上期もトップ独走。「なんでこんなに売れるんだ?」というほど売れまくっている。正直なところ、理由がよくわかりません。  いかにN-BOXの室内が広大とはいえ、ライバルのスズキ・スペーシアや、ダイハツ・タントもほぼ同じ。燃費も横並びだし、値段だって安くはない。この間ホンダディーラーにN-BOXを見に行ってみたけど、試乗車が諸経費込みで250万円だったのにはひっくり返りそうになった。軽が250万円ッスか!
ホンダN-BOX

N-VANは126万7920円~。「こんなに広々!」を表現するためグラドルポーズをしてみました。オッサンですいません。収納スペースいっぱい! もちろん天井にも収納できるので車中泊も快適! 商業車ですがレジャーでも大活躍してくれるでしょう

 まあこのクラスの軽をフル装備すると、それくらいになっちゃうのは、他社もおんなじなんだけど。ボンクラ諸君は「軽自動車は安いクルマ」と思ってるかもしれないが、とんでもない世間知らずである。
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N-BOXバカ売れの理由は?
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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