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関西空港連絡橋の完全復旧が来年のGWって遅すぎないか? 再確認した首都と関西の格差

 9月4日、関西国際空港は、台風21号による嵐で連絡橋にタンカーが衝突、損傷して通行止めになるという想定外の事態に陥ったのはご存じの通りだ。
タンカー船が衝突した 関空連絡橋(NEXCO西日本発表資料より)

タンカー船が衝突した 関空連絡橋(NEXCO西日本発表資料より)

 被災直後、連絡橋の復旧について私は、「まったくの推測だが、鉄道の復旧まで2週間、道路の完全復旧まで1か月というところだろうか? 仮に橋げたの損傷が大きく、交換が必要となると、在庫があるものではないので、もっと長い期間が必要になってくる」と書いた(9/6更新「タンカーが衝突した関西空港連絡橋の復旧には何日かかる?」)。

タンカーが衝突して損傷した関西国際空港連絡橋の橋梁部分(NEXCO西日本発表資料より)

 で、実際どうなったかというと、鉄道は9月18に復旧。被災からちょうど2週間後であった。

早期復旧したのは鉄道だけで道路の復旧は……

 では道路のほうはというと、NEXCO西日本は9月18日、このようなリリースを発表した。 「台風第21号の影響によりタンカー船が衝突した関西国際空港連絡橋については、14日、損傷した橋桁の撤去が完了しました。 橋桁の損傷の程度が著しいことから再利用可能な一部分を除き、新しい橋桁を製作して架け直す方針としました。 この方針を踏まえ、海上での作業を予定している来年春頃の天候が安定し、作業に支障が生じなければ、来年のゴールデンウィークまでに、連絡橋を完全復旧することを目標に作業を進めます」  なんと、来年のGWまでの復旧を目指すという!

海上での作業は天候が安定する来年の春の模様。天候が悪化し作業が進まない場合は、GWまでに完了しない可能性もある(NEXCO西日本発表資料より)

 橋桁の交換が必要なら、新たに造ることになるので、かなり長い期間が必要になることはわかっていたが、まさか真っ正直に、「新たな橋桁ができるまで、復旧できません」となるとは思っていなかった。  鉄道が復旧したことで、空港までの旅客の足は確保でき、旅客便は完全に復旧した。連絡橋の片肺通行は続くが、規制されるのは自家用車やレンタカーのみとなり、トラックの通行規制はなくなったため、国際貨物便もほぼ元に戻っている。  つまり、現状すでに大きな不便はなくなっているわけで、連絡橋の全面復旧をそんなに急ぐ必要はないと言えないことはないが、つい頭に浮かぶのは、「地方はのんびりしてるなあ」という思いである。  これが仮に首都圏だったら、たとえば仮橋の設置など、あらゆる手段を使って、なんとか連絡橋も早期に復旧させただろう。

24時間体制73日で全面復旧させた首都高とは大違い!

 たとえば10年前に発生した、首都高5号線でのタンクローリー横転火災事故では、今回同様に橋桁が重大な損傷を受け、造り直しとなった。

首都高5号線でのタンクローリー横転火災事故では24時間休みなしで復旧工事が行われた

 が、この時の首都高の奮闘ぶりは凄かった。鋼桁の製作期間短縮や、早く固まるコンクリートの使用など、ありとあらゆる工期短縮策が打たれ、24時間体制で工事を行い、事故からわずか73日後には、40m橋桁の架け替えを完了して全面復旧させた。

首都高5号線タンクローリー横転火災事故の復旧工事中は、通行規制による大渋滞が2か月以上も続いた

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関係省の必死さの度合いがまるで違う
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