闇金は違法ですから、警察によって摘発されることを恐れます。暴力沙汰や拉致監禁を実際に行うことは、闇金にとってリスクが高すぎます。闇金も組織です。個人が組織に対抗する場合は、その個人に飛び抜けた知恵が備わっているというような例外的状況を除けば、勝つことはもとより、引き分けに持ち込むことすらもできません。 　それですから、弁護士会に相談するのが一番いいです。そのときには、弁護士ときちんと契約して、費用を支払うようにしてください。無料の法律相談と、お金を払って代理人になってもらうのでは、弁護士の働きぶりが変わってきます。弁護士が法外な報酬を要求してくることはないので、心配する必要はありません。 　あなたはすでに元本を返済しているのですから、違法な利息を支払う必要はありません。交渉は代理人である弁護士に任せれば、平穏な生活を取り戻すことができます。 　ただし、忘れてはいけないのは「借りたカネを返す」というのは、人間として当たり前の道德だということです。なぜ闇金に手を出してしまったかについて、よく反省する必要があります。自分の稼げる範囲で消費するという思想をきちんと持たないと、しばらくたってから、また同じ失敗を繰り返すことになります。お金はとても怖いものなのだということが今回の経験でよくわかったと思います。 ★今週の教訓……資本主義は人間の欲望を加速させます 【佐藤優】 ’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数