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汚部屋でスマホや靴下を探す毎日…物を片付けられない発達障害者の悩み

 昨年から大きな話題になっている「大人の発達障害」。SPA!で特集を組んだところ「自分もそうかもしれない」「知人が驚くほど当てはまる」と反響があった。発達障害の当事者たちは、その特性から職場や家庭でさまざまな困難に直面している。彼らが経験してきたトラブルを聞いた。

「物の定位置がわからない」片付けられない当事者の悩み

大人の発達障害

物で溢れ返る林さんの自宅。お金がないわけではないので次々に無駄なものを購入し、さらに部屋が荒れるという負のスパイラル

 以前付き合っていた彼女の勧めで心療内科を受診し、ADHD特性があることがわかったという会社員の林弘樹さん(仮名・27歳)。彼の家はまさに「整理整頓ができない部屋」だった。夏場なのに冬用掛け布団がリビングを占拠し、枕元にはなぜかバスクリンが放置。靴の空き箱が何個も散乱していた。 「同棲中だった彼女が、僕が部屋を片付けられないのに業を煮やし『これでは一緒に生活できない』と病院に行って発覚しました。ADHD用の薬をもらって飲んでいましたがさほど改善せず、結局、彼女とは別れました。 なぜ片付けられないかって? そもそもの定位置がわからないんです。『これはどこに置くべきなのか?』って考えても答えが出せなくて、結局、そこらへんに適当に置いているうちにこんな状態になっていました」  定型発達の人なら「靴の空き箱は下駄箱に入れる」と考えるまでもなくわかるが、林さんの場合は「そこに置く意味」を考えるうちに、ほかのことへの注意力がなくなってしまうそうだ。  ほかに、洗濯した靴下を左右一緒にすることができないらしく、出かける前に「もう片方の靴下」を探すのに毎日かなりの時間を要するという。 「だいたい時間までに見つけられず、左右違う靴下で出かけます。それで夜寝るときに布団の下から出てきたり」  財布や携帯電話を室内で紛失することも多く、毎日捜索でかなりの時間を使うというから、難儀な生活だ。 「仕事でも私生活でもメモを取れないので、約束を忘れてしまうことも多い。なんかあった気がするけど……と思いながら、携帯にも手帳にも書いてないのでモヤモヤしたまま時間が過ぎ、友人からの連絡でやっと思い出す。我ながら情けないです」 ― 大人の発達障害診断リスト ―
発達障害グレーゾーン

徹底した当事者取材! 発達障害“ブーム"の裏で生まれる「グレーゾーン」に迫る

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