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発達障害で苦しむ人たちの「私生活での“あるある”パニック」15項目

 昨年から大きな話題になっている「大人の発達障害」。SPA!で特集を組んだところ「自分もそうかもしれない」「知人が驚くほど当てはまる」と反響があった。

大人の発達障害

公共料金の支払いや服の素材。意外なことまでネックになる


 職場と同様に、プライベートでも発達障害の特性ゆえにやりがちな行動がある。特にコミュニケーションで悩んでいる当事者が多い。

「会話中にちゃんと相手の話を聞くことができない。ずっとスマホをいじったりしちゃうし、喫茶店での談笑中に寝てしまい疎遠になった友人もいる」(25歳・IT)

「自分では意識していないけど、高圧的な態度を取っているらしい。話が面白くなかったら『それのどこが面白いの?』と、つい本音を言って嫌われる」(31歳・経理)

「友達が感動した話をしていても全然共感できない。『ふーん』としか返せない」(35歳・出版)

 興味や行動の偏りが強い人は特にこのような悩みを抱えるという。

「自分が興味のあることには人一倍熱くなるんですが、興味がないと途端に心のスイッチがオフになる。そうなると人間関係もうまくいかないので、当事者には『人とつるむとツラくなる』といってLINEやすべての連絡先を消去して、急に人間関係をリセットしてしまう人もいます」(発達障害特性に悩むグレーゾーンの人のための自助会「グレーゾーンの会(ぐれ会!)」を主宰するオム氏)

 また、関心の差が激しいという特性は、意外な部分でも表れる。私生活では途端に身だしなみに無頓着になる人が多いというのだ。

「ファッションにまったく興味が湧かない。髪をセットしなくても誰かに迷惑をかけているわけではないし、普段は髭もボサボサのままでかける」(29歳・IT)

「服を選ぶこと自体が無駄だと思う。だから無難に同じような服ばかり揃えている。新しく買うのは面倒なので、ボロボロになるまでそれを着る」(38歳・運送)

 これは「発達障害だったのではないか?」と言われているスティーブ・ジョブズにも共通している。「服を選ぶ時間があるならほかのことに使いたい」と、同じ黒いタートルネックとデニムを着続けていたのはあまりにも有名な話だ。

 また、不注意の特性が強く「何かをうっかり忘れる」という人だと、さまざまな弊害が出てくる。

「お金はあるのに、滞納が続いて水道が止まったときは自分のだらしなさに絶望した」(41歳・商社)

「思い込みで集合場所や時間を間違ったことが何度もある。スケジュール帳に書いてあっても間違えるからひどい」(44歳・IT)

 精神保健福祉士の佐藤恵美氏は「片付けや公共料金の支払い、近所付き合いなど生活上の社会性を必要とされる場面でつまずく人は多い」と話す。

「不注意や衝動性、多動性などが特徴的な人だと、片付けようにも定位置が決められないうえに、家の中の目についたものに次々注意が移ってしまって進まない。適切に行動を転換することが苦手で、やらなければならないことをつい先延ばしにしてしまう。また、衝動性が強い人だと、こうと思ったら行動せずにはいられず、急に周囲が予測できない行動に走ってビックリされることもあります」

 加えて、オム氏によれば「手先が絶望的に不器用で悩んでいるという人もかなり多い」という。

「発達障害は脳の伝達回路に原因があるとされているので、おそらくその弊害だと思うのですが、洗濯物がうまく畳めないとか、ボタンをうまくつけられないって声はよく聞きます。あと、地図を見るのも苦手です。空間把握能力が低いので、見ている地図と実際にいる場所をうまく認識できないんです。僕の会でも『近くまで来ているんですが』と電話をしながら結局たどり着けない人が出ます」

 ほかに発達障害の特性の一つである「感覚過敏」もネックになる。

「僕は触感が過敏で、素材によってはかゆすぎて着られない服があるし、襟裏のタグがあるとそれだけでダメになる」(40歳・飲食)

「聴覚過敏なので、場所によっては10分もいられないことがある。カラオケとかパチンコ店などは絶望的だし、渋谷センター街とか行きたくもない」(33歳・派遣)

 発達障害の当事者は、日々さまざまな壁にぶち当たっているのだ。

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当事者たちの声からまとめた「私生活での“特徴”診断リスト」

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