更新日:2018年11月11日 12:24
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実力伯仲のエリザベス女王杯――熾烈な女の戦いを気鋭の競馬ブロガーがズバリ予想

4歳牝馬は充実一途

 少数精鋭の3歳牝馬に対し、4歳牝馬勢は非常に層が厚い。大将格のディアドラこそ香港遠征で不在だが、それでも多士済々のメンバーが揃った。  昨年3歳でエリザベス女王杯を制したモズカッチャンは、連覇を目指し順調にコマを進めて来た。前走の札幌記念では牡馬相手にあと一歩の競馬を見せており、今年もデムーロ騎乗でチャンスがありそうだ。  また、4度のGⅠ・2着の実績を誇るリスグラシューも侮れない。昨年は7着と見せばなく敗れたが、今年も牡馬相手の重賞を制するなど充実ぶりが目立っており、世界№1ジョッキー・モレイラを背に、悲願のG1制覇が期待される。  新興勢力のレッドジェノヴァも、京都大賞典で牡馬相手に好走しており、上昇度は侮れない。鞍上は、こちらも数々の大一番で結果を出して来た池添だ。

侮れない5歳以上のベテラン勢

 牝馬はピークが短いため、5歳以上となるとかなりベテランの香りが漂ってくる。だが、2012年に7番人気で勝利したレインボーダリア、2009年に11番人気で逃げ切ったクィーンスプマンテなど、穴での一発が多い点は見逃せない。  昨年あわやの2着に粘ったクロコスミアは、今年も流れ一つでチャンスがありそう。もともとしぶとさが武器なだけに、強敵相手に一発の魅力を秘めるタイプだ。今年は淀の長距離の申し子・岩田が騎乗する。  また、安定したレースぶりが光るフロンテアクイーンも怖い一頭。重賞勝利こそないものの、目下7戦連続で2~3着を繰り返す抜群の安定感は見逃せない。今回のメンバーの中では唯一の2勝馬ということになるが、こういうタイプは相手が強くなってもひょっこりと2~3着に顔を出すことがある。鞍上は3年前にマリアライトで当レースを制した蛯名。  さらに、異色の存在としては8歳馬のスマートレイアーがいる。8歳とはいえ、昨年は差のない6着に健闘しており、今年も牡馬相手に健闘を見せている。目立った衰えはないだけに、持ち味のスタミナを生かせるような流れになれば、まだまだやれておかしくない。この秋のGⅠで再三に渡り伏兵馬を馬券圏内に持ってきている武豊の騎乗で、一発が期待される。  というわけで、まさに各世代実力伯仲、熾烈な争いとなる今年のエリザベス女王杯。成長と勢いの3歳馬か、充実の4歳馬か、あるいは経験値で上回るベテラン馬か……非常に悩ましいところだが、私の期待馬は4歳馬のレッドジェノヴァだ。  本馬は今年の夏までは一介の条件馬だったが、そこから連勝でオープン入り。前走の京都大賞典ではサトノダイヤモンド他一流牡馬を相手に互角の戦いを演じ、一気にトップグループに殴り込んで来た。しかも、丁寧にレースを見返せば、4コーナーで前が塞がり進路がなくなる不利がありながら、そこから盛り返してサトノダイヤモンドと差のない2着に迫っただけに価値は高い。  戦績を辿れば遅咲きの牝馬ということになるが、アーモンドアイ、ディアドラといった主役不在の相手関係ならば十分にチャンスはある。今年は名だたる外国人騎手たちが人気を集めるが、大一番に強い名手・池添の腕にも期待して狙ってみたい。 ※最終結論はブログ『TAROの競馬』他で公開します。 【TARO氏】 『TAROの競馬』を主宰する競馬ブロガー・予想家。著書に『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』など <構成/宮下浩純(SPA!本誌)> 勝SPA!
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