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米倉涼子の『リーガルV』と『ドクターX』、ウケる理由に大きな違い

助演のなかでも宮本茉由が印象的

 その中でも毎回出番は少ないものの、天馬壮一郎の秘書・中沢淳美を演じる宮本茉由も忘れられない。天馬にとって気に入らないことがあると彼が飲んでいたワインを身体に浴びせられるシーンがインパクト大だが、その瞬間のじっと耐えている“はかなげな表情”は毎回注目の的であったからだ。

 つまり、この『リーガルV』は米倉涼子演じる小鳥遊翔子が野球の打線でいうところの“核”ではあるが、決してワンマンチームではないということだ。確かにエピソードによっては、もう少し翔子が活躍する場面があってもいいんじゃないかと、あまりにも控えめすぎてもの足りなさを覚えた回もなくはない。だがそれでも4番打者・米倉は必要最小限機能している。そしてそんな米倉を中心に打線が点から線に繋がって得点を重ねていく“全員野球”的な面白さがその根源にあるのである。

最終回は、米倉涼子の逆襲が楽しみ

 とはいえ、やはり主人公なのだから、華々しい活躍が見たいところ。そしてその絶好の場面がついに最終回にやってくると期待している。翔子が対決する相手は、かつての上司・天馬壮一郎率いるFelix&Temma法律事務所の面々。翔子が弁護士資格を失うきっかけとなった殺人事件の真相が描かれていく。  当然、弁護士資格を剥奪された元・弁護士の小鳥遊翔子がいかに逆襲するかに注目が集まるのだが、そこで注目したいのが、このドラマでしきりに飛び交っている“非弁行為”というキーワードである(非勉行為=弁護士でない者が、報酬を得る目的で、弁護士にのみ認められている行為をすること)。  確かに元・弁護士がむやみやたらと活躍してしまったら、京極法律事務所の存在意義がなくなってしまうからだ。  恐らく翔子は“原告”という形で法廷に立つのだろうが、そこからいかに翔子が活躍して、かつ、京極法律事務所の面々の見せ場が描けるかがポイントだろう。  そして、その結果、翔子の弁護士資格が回復なるか……も気になるところ。本作は十分、続編が成立する展開を見せているだけに、どう上手くドラマを締めくくるのか、注目である。 <文/上杉純也>
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