
▲6三銀成まで。seohayamiさん
「連打の歩」にはご用心
岡部:続いては
seohayamiさんの質問です。先手のseohayamiさんが、6三銀成とした局面ですが、ここはどうですか?
高野:この6三銀成はよくありませんね。この後、6七歩、同飛、6六歩と「連打の歩」をされ、これを同角としたとき、6三飛で成銀を取られてしまいます。
さくら:成銀を6三飛と取ったときに、先手が8四角と角を取ったら、6七飛成で飛車を取られてしまうんですね。
岡部:6四にいた銀が、6三に進んで成ったわけですが、ここはどうすればよかったですか?
高野:5五銀がお勧めです。後手が6三歩と飛車成りを受けたら、4五歩と攻めて好調です。
さくら:後手は6三歩と受けたことで、飛車の横利きも止まっていますしね。
岡部:あとひとつで「成れる」と思うと、どうしても前にいっちゃうんですよね。
さくら:戻るって、どうしても見落としがちですよねぇ。
高野:相手の王様は1一にいますから、縦にいくよりも、斜めにいくことを意識したいですね。

△9九角成まで。たっつんさん
岡部:次に「
たっつんさん」からの質問です。
高野:いくつか質問を送っていただきましたが、どれも筋よく指されていて、この方は、もう初段の力があるかもしれません。
さくら:そうなんですね。では、これもちょっと高度な質問ですね。
岡部:ここからどう攻めれば……ということですが、いかがですか?
高野:ここで攻めの手としては、2二角があります。
さくら:これは同玉と取られてしまうけれど、竜で4一の金が取れる。そして3一銀打と受けたところ5二の金も取れるので角と金2枚の「2枚換え」なんですね。
岡部:角と金2枚ならば、金2枚が得ですよね。
高野:ただ、このあと後手も5一香と打ったりしてきますから、すぐに相手を倒せる手ではありません。
岡部:この後は、どうやって攻めますか。
高野:4一金。あとは2六桂なども楽しみでしょうか。ただ後手からは、6七歩という着実な攻めがあるので簡単ではないですよ。
さくら:形勢はどちらがいいですか?
高野:難しいですが、6七歩の攻めがあるので、我々、プロが言うところの「手がわかりやすい」のは、後手の居飛車側ですね。少し先手が苦しいかなという局面だと思います。ただ6対4までは開いておらず、まだ手がかかる局面ですから、ここは2二角として、金を2枚、取っておきましょう。

△5四銀まで。わわわさん
攻める手がないときは……
岡部:最後に「
わわわ」さんの質問です。相手の攻めを追い返したところ、角道も止まってしまって、どう攻めればいいのかーーということですが。
高野:この局面ですが、相手の攻めを追い返すために、自分の駒を5筋から玉の側にすべて寄せていますよね。それもあって、こちらからすぐに攻める順はありません。
さくら:なるほど。
高野:ですから、ここは駒を寄せた流れで、こちらの囲いを発展させるという考え方が大切です。
岡部:攻めの銀を囲いに寄せたから、これも守りに使うんですね。
高野:具体的には「7六銀~6七金~7七角~8八玉~7八金~9六歩」としていくと、この「参考図」のようになります。

参考図
岡部:なんだかとても頑丈そうな囲いですね。これはなんという名前ですか?
高野「玉頭位取り」です。このあと、8六歩~8五歩と8筋の位が取れれば100点です。
さくら:その先はどうやって攻めますか?
高野:タイミングを見計らって、2四歩、同歩、6五歩と仕掛けると良いでしょう。
岡部:うーん。いつも仕掛けられると思いがちですが、そうではないんですね。
高野:そうです。とくに攻めの銀が前に出ていけないときは、仕掛けられないので、囲いを発展させるなど、別の方針を立てたほうがいいですね。
※ ※ ※
さくら:今回もいろいろ勉強になりました。
岡部:同じくらいの棋力の方の悩みは、本当に参考になりますね。
高野:『初段会議』を読んだ方からも、とても勉強になったという声をいただいていますね。
岡部:この本を読んで「将棋ウォーズで念願の初段になった」というメッセージもいただいて喜んでいます。
さくら:読みやすかった。サクサク読めたという声も多いですね。
高野:飛行機の往復で読めたなんて声もツイッターにありましたね。
岡部:我々は8カ月もの間、会議という名の飲み会をしていたのに(笑)。
さくら:おかげさまで『初段会議』の売行きも好調で、めでたく重版となりました!
高野:嬉しいですねぇ。
岡部:続編も出そうとウォーミングアップ中なので、ぜひ今後にもご期待ください!
●高野秀行(たかの ひでゆき)
1972年横浜市生まれ。中原誠十六世名人門下。日本将棋連盟六段。「経堂こども将棋教室」などを主催し、広く子どもたちに将棋を教える。明治大学、國學院大学で将棋に関する講座も担当。著書に『こどもをぐんぐん伸ばす「将棋思考」』(ワニプラス)などがある。
●岡部敬史(おかべ たかし)
1972年京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務後、ライター・著述家・編集者として活動。著書に『くらべる東西』『似ていることば』『目でみることば』(「おかべたかし」名義/東京書籍)などがある。個人ブログ「おかべたかしの編集記」。
●さくらはな。
千葉県出身。漫画家。2013年5月3日に突然将棋を始める。将棋フリーペーパー『駒doc.』にて「将棋好きに成りました!」を連載中。2019年1月より竹書房『本当にあった愉快な話』にて「えりりんと女流棋士の日々(仮)」を連載開始予定。