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不倫疑惑をスクープされ大統領になれなかった男――実話サスペンスを主演ヒュー・ジャックマンが語る

ヒュー・ジャックマンがSNSで政治的発言をしない理由

――ジャックマンさんはSNSを通してファンに素敵なメッセージを届けていらっしゃいますが、政治的な発言はしていませんね。 ジャックマン:多種多様な政治的意見がソーシャルメディアにあふれるなかで、私の政治的な意見なんて、あまり重要だと思っていないかな(笑)。そもそもアメリカでは投票権もないオーストラリア人だし(笑)。自分の伝えたいことは、映画を通して語るようにしています。 フロントランナー――大学ではジャーナリズム専攻だったそうですが、SNSはジャーナリズムをどのように変えたと思いますか? ジャックマン:ゲイリーの不倫疑惑以来、政治家は構想や公約をアピールするだけではなく、クリントン大統領のようにサックスを吹いて、世間に“気に入られる”ようにしなければいけなくなりました。今や政治もコマーシャルやスローガンを通して、“オシャレ”に見えなくてはいけない――。その傾向がSNSによって更に強まり、選挙を含めた政治のスピードはどんどん速くなっています。  私がジャーナリストにならなかった理由は、よいジャーナリストになれないだろうと思ったからなのですが(笑)、現代のジャーナリストは一瞬でクオリティの高い記事を書いて発信しなければいけない。経験値よりもスピードが重視され、SNSで誰もが発信できることから、ジャーナリストの仕事は減っています。ジャーナリストにとっては本当に過酷な時代だと思う。だから私は、彼らをとても尊敬しているし、インタビューにはできる限り時間をかけてオープンに話すようにしています。 ――ちなみに、学生のときのジャックマンさんは、学校の選挙に出たりしたのですか? ジャックマン:高校では生徒会長をやっていましたね。ただ、選挙で選ばれたのではなく、校長に指名されただけ(笑)。私の兄弟たちも副会長を務めましたし、なんだろう、別に生徒会長になりたかったわけでもなかったけれど、“人に好かれたい”という願望は強かったのかもしれない。なんと言っても、役者になったぐらいですからね!(笑)
<取材・文/此花さくや>
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【フロントランナー】
2月1日(金)~TOHOシネマズ 日比谷他全国公開
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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