更新日:2019年02月26日 13:10
ライフ

韓国と日本のボートレースの違い……3単複ってなんだ?

ギャンブラーは国境を越える!? 韓国のファンとボート談義

 実際のレースを見てみると、韓国ではチルト角度は-0.5~+1.5まで許容されているが、多くの選手が0から+1.0の間を使用していることに気付いた。チルトはプラスが大きくなるほど直線での加速は増すが、その反面旋回時のスピードが落ちる傾向がある。日本では-0.5にするのが主流なため、旋回時に鋭く回るのを見るのに慣れていたこともあり、小回りではなくスピードを残して大回りする選手が多く目立った。  また日本ではスタートを決めた選手がいた場合、内側の艇の進路を絞って旋回する迫力のある捲りが見られるが、韓国ではスタートで先制しても絞るシーンは今回見られず、1マーク手前から一気にハンドルを入れて捲っていくスタイルだったのが印象的だった。  私は競輪をメインとしているので、ボートに詳しい同行した知人に韓国ボートの感想を求めたところ、韓国のボートレースは日本と比べて2ランクは下がる、と評していた。ターンの技術が明らかに差があるのである、と。  そのため、ボート好きの知人は韓国の選手を知らないにも関わらず、試走でターンの上手い選手を見抜いて的中させていた。日本で普段からボートレースを買っている人は、選手を知らなくても出走表や展示を見れば十分韓国のボートは楽しめるのではないだろうか。  グランプリ優勝戦が近づく後半になっていくと堅い決着になり始めた。3連単が買える専用のカードを作っていない(日本人が作れるかどうかは不明)ため、後半になってついつい3単複や2連単で無理に高い配当を求めて穴を買い、結果、外すようになってしまった……。 バンドの演奏  韓国のグランプリのシステムは、出走資格を持つ24人が1日目に走り、その成績上位6人が優勝戦に出走することができる。グランプリの時間がさらに近づく。途中でマーチングバンドの演奏会はあったが、グランプリという特別な雰囲気は特に感じられないままグランプリ本番レース(第15レース)を迎えた。1号艇のシムサンチョル、3号艇のキムウンソンが格上で人気、シムサンチョルがエースモーターだったため、おそらく1-3は堅いだろう、と予想……。とはいえ1-3では安いので3-1になる望みをかけて1-3と3-1を均等に購入した。  結果は予想どおり、
表彰式の優勝者インタビュー

表彰式の優勝者シムサンチョルへのインタビュー

がイン逃げを決めて1番人気の1-3だった。途中でキムウンソンの差しが入り3-1になりかけたが、エースモーターの伸びには勝てなかった……。
ボートに乗り表彰式へ向かう3人

ボートに乗り表彰式へ向かう上位3人

 日本では優勝者のみが表彰される形が多いが、ミサリでは3着以内に入った3人が登場し表彰されていた。グランプリ前には特別な雰囲気は感じられなかったが、花火も上がりレース後は大きな盛り上がりとなった。グランプリの優勝賞金は約300万円。約160人という選手規模を考えれば妥当な額かもしれない。ちなみに、トップクラスの獲得賞金は、日本円で約1000万円強となる。  盛り上がる表彰式を見ていると、近くにいた韓国人のお客さんが日本語で話しかけてきた。「日本のボートレースと比較して韓国はどうか」という質問を受けて会話を交わす。日本でも韓国でも、ギャンブラー同士は仲良くなれるものだ。
ウイニングラン

ウイニングラン

 また帰りの無料バスに乗車中でスマホからネットで住之江のグランプリシリーズの中継を見ていたところ、周囲のお客さんから「日本のボートか?」と興味を持たれ一緒に観戦するという一幕もあった。国は違えど、同じ競技を趣味とする者同士で楽しい一時だ。  現地のファンとも交流し、レースを見終えて思ったのは、韓国でもボートレース場が増え、選手数も増えれば一段とレベルが飛躍していけば、いつか日韓の選手が同じ水面でバトルを繰り広げることはできないだろうか? 日韓で選手の交流はあると聞く。競輪では日本と韓国の選手で交流戦が毎年定期的に開催されていることもあり、ボートレースでも交流戦ができるようになるといいなと感じたのだ……。
7つ的中で約12000円の払戻し

7つ的中で日本円換算で約12000円の払戻しを受けられた

取材・写真・文/的場雄一郎
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