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テレビゲームにとって平成時代とは何だったのか? 平成ゲームシーン回顧録<最終回>

平成29年(2017年)

 平成29年は、前年に史上最年少でプロ棋士となった藤井聡太四段(当時)が、デビュー以来29連勝で歴代最多連勝記録を更新。流行語大賞は「インスタ映え」と「忖度」。1月から始まったアニメ『けものフレンズ』がまさかのヒットに。  ゲームでは、任天堂が3月に「Nintendo Switch」を発売。据置機にも携帯機にもなるハイブリッドなゲーム機で、事前の予測に反して品薄状態が続きました。「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」は発売から3か月で世界400万台の大ヒット。ソフトではPS4と3DS向けに『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて』が発売され、全世界出荷400万本以上を記録しています。

Nintendo Switch

そのほかの注目のヒットゲーム ・スプラトゥーン2(Nintendo Switch) ・アズールレーン(iOS、Android) ・どうぶつの森 ポケットキャンプ(iOS、Android)

平成30年(2018年)

 平成30年は、平昌五輪で活躍した女子カーリング日本代表の掛け声「そだねー」が流行語となりました。フィギュアの羽生結弦選手の金メダルも印象的でした。大谷翔平選手や大坂なおみ選手などスポーツ界での活躍が目立った年。菊川怜さんがお尻でルーペを踏んだのもこの頃です。  ゲームでは、レトロハードのミニ化復刻ブームが波及し「ネオジオ ミニ」「プレイステーション クラシック」が発売。セガから「メガドライブ ミニ(仮称)」も発表されています。すでに世界規模で盛り上がっていたeスポーツですが、日本でも「eスポーツ元年」の掛け声が高まるように。『PUBG』や『荒野行動』『フォートナイト』などバトルロイヤルゲームが一気に流行。その影でスマホゲームのバブルが弾けたとの声も囁かれ、短期間でサービス終了になるタイトルが増えてきました。

ネオジオ ミニ

そのほかの注目のヒットゲーム ・モンスターハンター:ワールド(PS4、PC) ・大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(Nintendo Switch) ・Marvel’s Spider-Man(PS4)  駆け足で30年を振り返ってきました。平成2年にスーパーファミコンが発売され、ファミコンから着々と進化を遂げたテレビゲーム。今や文化としても産業としても、“ゲーム”は世界に深く根付いています。平成はテレビゲームにとって、大いなる躍進の時代だったと言えそうです。
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
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