キンコン西野の新作はAmazon総合1位。作家でも大成した芸人たち
発行部数38万部越えを果たしている『えんとつ町のプペル』の大ヒットなどで、絵本作家としても知られているお笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣が、3月8日にブログを更新。新作絵本の『チックタック ~約束の時計台~』(4月18日発売)が、予約開始からまもなくしてAmazonの総合ランキング1位を獲得したことを報告した。
作家芸人と聞いて最初に頭に浮かぶのはこの人という方も多いのではないか。NHKで冠番組『又吉直樹のヘウレーカ!』(NHK Eテレ)を持つなど、今や“文化人”としての印象も強い又吉だが、彼を今のポジションに一躍押し上げたのが処女作であり代表作の『火花』だ。
売れない芸人の徳永は、天才芸人の神谷に「俺の伝記を書くなら」という条件で弟子入り。二人の絆は少しずつ深まっていき、神谷は自身の笑いの哲学を徳永に伝えていき……というストーリー。芸人の世界を舞台としたストイックな語り口で高い評価を受け、2017年に同じ吉本興業の先輩芸人・板尾創路が監督で映画化。翌年には女優の観月ありさ主演で舞台化も果たした。
発行部数300万部を超えるなど社会現象と化した『火花』だが、批評家からも高い評価を受けている。その理由は彼がかねてより小説ファンであり、地に足の着いた文体で作品を執筆したからだろう。おまけに、こう見えて又吉は、高校時代は大阪府代表としてサッカーでインターハイにも出場しているのだから、まさに文武両道だ。
同じく吉本興業の作家芸人といえば、「品川庄司」の品川祐(作家名義は品川ヒロシ)。代表作は監督・脚本も務めて映画化もされた『ドロップ』で、自身の憧れた青春時代へのオマージュとして執筆したという。
ストーリーは、15歳の少年・信濃川ヒロシが全寮制の私立中学から、不良が支配する狛江の公立中学校に転校し、ケンカと青春に明け暮れる不良ライフをスタートさせていく……というもの。“にわか不良”として舐められていたヒロシが、一人前の不良として仲間とともに成長していく様が魅力のパワフルな一作だ。
品川の持ち味である“自信”が、この『ドロップ』にもたっぷり詰まっているが、我を通さなければ潰れてしまう過酷な芸人世界の心意気と、不良の世界はどこか通ずるものがあるのかもしれない。
作家として活動するお笑い芸人は今やめずらしくはないが、そのほとんどが自叙伝などで、西野のように小説や絵本といったフィクション作品を手がける芸人はそう多くはない。
そこで今回は、フィクション作家としても高い評価を受けている芸人たちを、代表作と共に紹介していこう。笑い以外で本気を出した彼らの作品をぜひ知ってほしい。
又吉直樹:作家芸人の代表といえばこの人! 『火花』で芥川賞受賞など大活躍!
品川祐:品川自身が監督で映画化も果たした、不良ルーキー中学生の青春物語!
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