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2000人の中国人が自由が丘に集結、カオスに__準特急久保田の珍バイト従軍記

準特急久保田

通行人にチラシを“見せる”バイト

 こちらも家電量販店での珍バイト。時間は同じく開店前の3~4時間で、道行く人に安売りのチラシを“見せる”のが久保田の仕事だった。あくまでチラシは見せるだけ。声を掛けたり渡したりしてしまうと配布となってしまうため許可を取る必要が出てくるのだ。 「“安売りしていますよ!”などと声を発してしまうのは絶対にダメ。無言で通行人にチラシを見せるんですね。コツは下を向きながら歩いている人が多いので、チラシをねかせて下からすっと視界に入れていくんです」  そこまでするなら許可を取ってチラシを配ればいいのに……とも思うが、久保田いわく、「いかにラクをして稼ぐかを考えているので、頭を使ったら意味ないんですよ。配るなと言われたら配らない、それだけなんです」だそうだ。  久保田が珍バイトをはじめたキッカケは、2年前に警備のバイトで会った警備会社のおっちゃんのひと言だった。 「すごい楽なバイトがあるんだけど兄ちゃんやってみないかい?」  その記念すべき一発目がパソコン抽選販売のバイトだったというワケだ。以降、久保田は様々な珍バイトと出会うことに……。<取材・文/國友公司、撮影/藤井敦年>
元週刊誌記者、現在フリーライター。日々街を徘徊しながら取材をしている。著書に『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)。Twitter:@onkunion
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