更新日:2023年03月20日 10:51
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自衛隊員の引越し費用は半額自腹!? 上限を超えると自己負担に…

厚労省の転勤制度を見直すガイドラインは反故に?

 一般企業でも転勤離職が相次ぐなか、厚労省が「転勤制度を見直す際の考え方やポイントを示したガイドラインの活用」を呼びかけています。国は「転勤しなきゃいけないなら、辞めます!」という人が増えていることを問題だと考えているわけです。  この厚労省のガイドラインには、企業が考えるべきポイントがあります。「転勤に付随して自社が負担している費用(赴任旅費、単身赴任手当、社宅費等)」「転勤の対象となる労働者にできる限り時間的余裕をもっての告知」「企業には転勤させる社員の数を必要最小限に絞り込み、転勤の同意を得ていく努力も求める」というところです。  自衛隊員にもそうしてもらいたいものですが、国は「労働基準法の適用外である自衛隊員は対象外」という態度を取るかもしれません。募集しても必要な隊員が集まらず離職率も高く、曹士クラスの充足率が7割を切ってしまう理由がここにあるように思います。  若い隊員さんたちが離島への配置に応じるのには大変な覚悟が必要だと思います。遊びに行く場所もなく、家族や友人からも遠い赴任地で住環境もこの有様では、心が萎えてしまうでしょう。国は自衛官の待遇面をいつも後回しにしますが、人を大事にしない組織からは人は逃げ出します。隊員を一人の人間として尊重するという感覚が致命的に欠落していることがそもそもの問題だと考えます。
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与那国島への異動時の引っ越し費用
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おがさわら・りえ◎国防ジャーナリスト、自衛官守る会代表。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。『月刊Hanada』『正論』『WiLL』『夕刊フジ』等にも寄稿する。雅号・静苑。@riekabot


自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……


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