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自衛隊員の引越し費用は半額自腹!? 上限を超えると自己負担に…

与那国島への異動時の引っ越し費用

陸上自衛隊

陸上自衛隊Facebookより

 与那国島から那覇市までは520kmもあります。離島への引越しの場合、対応してくれる業者を見つけるのが大変です。また、引越し料金も高額になります。自衛隊の引越しにかかる経費精算には規定の計算方式があり、これは鉄道料金が基準になっています。驚くことに、離島への引っ越しのような特殊な場合にも加算はないのです。結果として、転勤にかかる費用の「3割から半額近くが自衛隊員の預貯金等からの自腹負担」となるのが常です。引越し料金は上限が決まっていてそれを超える経費は支払われません。  たとえば、東京~沖縄間で自衛隊が独身者に支給する引越し費用は15万円ほどであり(※こちらは沖縄本島までの費用です)、引越し業者に頼むには全く足りません。常に引越し費用の1/3から1/2は隊員の自費負担になるのです。泣きたくなりますよね。  ある隊員は「愛着のある家具は売り払った。小さな荷物にしてゆうパックで送った。引越し代が払いきれないから仕方ない」「家財道具を全部無くしたのに赤字は増えたよ」とぼやいていました。ささやかな財産である家具を業務上の引越しのために売り払うしかないなんて、おかしいと思いませんか?  お給料の中から少しずつ家族や自分自身のために残すのが預貯金や財産です。経費に使うためではありません。しかも、幹部自衛官の引っ越しは2、3年に一度です。異動の引越し代のために貯金をするというのは酷すぎます。  自衛官は理不尽に耐える訓練ができていますが、それは戦闘時に負けない力をもつためであって、国家が負担すべき経費を押し付けられても黙って我慢するためではありません。理不尽に耐える自衛官の能力を、国家予算をケチるために使ってはいけないと思うのです。業務上必要な引越し代金ならば、経費として絶対に国が出すべきです。自衛隊員の自費負担をあてにするなど許されることではありません。

在日米軍とあまりに違う隊員や家族への配慮

 米軍は基地内に兵士が家族と住む住宅を作り、超格安の価格で住居を提供しています。しかも、在日米軍は日本からの思いやり予算により電気代は日本国持ちでタダです。基地内には住居だけでなく、映画館やスーパーマーケット、バーやレストラン、テニスコートやゴルフコースなどもあります。基本的に封鎖しても基地の中だけで生活ができるようになっています。  イザという時には兵士とその家族を守ることができるよう、米軍の住環境は整えられています。赴任地でも快適に家族と過ごせる住環境があるのです。同じく国を守る者の待遇が日米では「天と地」くらいに違います。違いすぎます!  国交省の転勤制度を見直すガイドラインは自衛隊員の力になってくれるでしょうか?「国を守ってくれている者」に対し私たちは余りにも無情なのではないでしょうか。国防ジャーナリスト。関西外語大卒業後、広告代理店勤務を経て、フリーライターとして活動を開始。2009年、ブログ「キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)」を開設し注目を集める。2014年からは自衛隊の待遇問題を考える「自衛官守る会」を主宰。自衛隊が抱えるさまざまな問題を国会に上げる地道な活動を行っている。月刊正論や月刊WiLL等のオピニオン誌にも寄稿。日刊SPA!の本連載で問題提起した基地内のトイレットペーパーの「自費負担問題」は国会でも取り上げられた。『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)を上梓

自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……

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